文在寅前大統領、尹大統領抜擢を「つくづく後悔」と激白—韓国政局の深淵を覗く

韓国政界に激震が走っています。文在寅前大統領が、現職の尹錫悦大統領を検事総長に抜擢したことを深く後悔していると、韓国紙ハンギョレのインタビューで衝撃的な告白をしました。この発言は、韓国政界の複雑な力学と、二人の指導者の間の緊張関係を浮き彫りにしています。

過去の決断への悔恨と国民への謝罪

文前大統領は、インタビューの中で尹大統領の誕生に「一番大きな責任」があると認め、国民への謝罪の意を表明しました。2022年5月まで大統領を務めた文氏は、自らの政権下で尹氏を検事総長に抜擢したことが、結果的に現在の政局を生み出したと痛感しているようです。

韓国の文在寅前大統領韓国の文在寅前大統領

「尹政権を誕生させたことについて、国民に申し訳ない」と語る文氏の言葉には、無念さと責任感がにじみ出ています。 慶尚南道梁山市にある自宅で行われたインタビューでは、現在の政局に対する深い憂慮と、過去の決断に対する後悔が赤裸々に語られました。政治アナリストのキム・ヨンチョル氏(仮名)は、「この発言は、文氏が現在の政治状況に強い危機感を持っていることの表れだろう」と分析しています。

「非常戒厳」発言への批判と政権批判

尹大統領が言及した「非常戒厳」についても、文前大統領は強い不快感を示しました。「博物館の遺物」と表現し、その発言自体を「信じがたく、フェイクニュースかと思った」と切り捨てています。さらに、尹大統領の態度は「醜く、恥ずかしい」と批判し、政権運営の水準の低さを指摘しました。

韓国政治に詳しいパク・ミンホ教授(仮名)は、「文氏の批判は、尹政権の強権的な姿勢に対する懸念を反映している」と指摘しています。 元大統領の発言は、韓国社会に大きな波紋を広げ、今後の政局に大きな影響を与える可能性があります。

検察改革と政権との対立

文前政権下で進められた検察改革において、尹氏は検事総長として文氏側近の不正を追及し、政権と対立しました。この対立が、尹氏が野党「国民の力」から大統領候補として擁立される契機となり、現在の政権誕生へと繋がったのです。

文前大統領は、インタビューの中で「こんな人たちに政権を渡したことへの自責の念が大きい」と述べ、尹氏抜擢の判断ミスを改めて強調しました。

今後の韓国政局への影響は?

文前大統領の衝撃的な告白は、今後の韓国政界にどのような影響を与えるのでしょうか。国民の反応、そして政権の対応に注目が集まります。 この発言をきっかけに、韓国政治の混迷がさらに深まる可能性も否定できません。