フジテレビを揺るがす中居正広氏の女性トラブルと、それに関連する“上納”疑惑。1月の記者会見での対応のまずさから、スポンサー離れが加速している現状を受け、同局の時代錯誤な体質と崩壊への序章とも取れる問題点が浮き彫りになっています。
時代に遅れをとる企業体質
パワハラ、セクハラ、長時間労働といった旧態依然とした慣習が蔓延しているテレビ業界において、働き方改革が進み、クリーン化が進む中、フジテレビはまるで時代に取り残されたかのように、旧弊な体質を維持しているようです。下請け業者への高圧的な態度、コンプライアンス意識の欠如、そして危機管理能力の不足は、今回の騒動を通して白日の下に晒されました。
フジテレビ本社での記者会見の様子
情報管理の甘さも露呈し、中居氏のトラブルを把握しながらも隠蔽していた事実も問題視されています。一部社員の危機感の欠如も深刻で、社内外の風紀の乱れを物語るようなエピソードも聞こえてきます。飲食店での軽率な行動は、企業イメージを著しく損なうだけでなく、社会的な責任を軽視している姿勢を示すものでしょう。
全盛期の栄光にしがみつく古き良き時代への郷愁
平成中期に視聴率三冠王に輝いた栄光に囚われ、価値観のアップデートができていない幹部社員の存在も指摘されています。全盛期のノリで長時間労働を強いる一方、経費削減を理由にタクシー代を支給しないなど、矛盾した行動も批判の的となっています。系列の制作会社にまで蔓延する上から目線も、業界内での評判を悪化させている一因と言えるでしょう。
こうした時代錯誤な体質は、スポンサーだけでなく一般市民からの反感も招いています。女子アナの接待疑惑も報じられており、「フジアナch.」のようなアナウンサー中心の番組の存続は難しく、港浩一前社長の代表作「オールナイトフジ」の令和版「オールナイトフジコ」の打ち切りも避けられないと見られています。
人材流出と崩壊へのカウントダウン
早期退職制度を利用して、ベテラン社員が相次いで退社している現状も、フジテレビの衰退を象徴しています。「めちゃ×2イケてるッ!」の片岡飛鳥氏や、境鶴丸氏、田代尚子氏といった著名人の退社は、大きな痛手となるでしょう。ネット配信メディアの隆盛により、優秀な人材の流出はさらに加速すると予想されます。
有望な若手ディレクターである原田和実氏のような人材の流出も懸念されています。優秀な人材の流出が続けば、騒動が収束しても、フジテレビの復活は困難を極める可能性が高いでしょう。
終わりに
中居氏のトラブルは、フジテレビの抱える問題を表面化させたきっかけに過ぎません。長年積み重ねてきた問題が噴出し、崩壊へのカウントダウンが始まっていると言えるかもしれません。今後の動向に注目が集まります。