舞台、映画、テレビと幅広く、素朴な役柄で名脇役として活躍した俳優の山谷初男(やまや・はつお、本名・山谷八男)さんが10月31日、間質性肺炎のため死去した。85歳。
秋田県出身。昭和28年に「ホタルの歌」で初舞台を踏んだ。映画は41年、「裏切りの季節」でデビュー。45年以降は日活ロマンポルノなどにも出演し、個性的な演技で注目された。小林正樹監督「いのちぼうにふろう」、五社英雄監督「北の蛍」など出演作は多数。多くの映画監督に起用された。
巡査役が好評だった52年のテレビドラマ「いちばん星」以降、鈴木清順監督の映画「ツィゴイネルワイゼン」など、警察官の役が集中した時期もあった。
舞台役者としても「王女メディア」「NINAGAWAマクベス」など代表作多数。役柄の守備範囲が広く、特に素朴なせりふ回し、愛嬌(あいきょう)のある役で多くの人に愛された。