救命救急の現場は、常に緊張感と隣り合わせです。一刻を争う状況の中で、冷静な判断と迅速な行動が求められます。今回は、鳥取大学医学部附属病院 高度救命救急センターで働く看護師、宮脇貴浩さんの経験を通して、救命救急の仕事に必要な「覚悟」について考えてみたいと思います。
引きこもりの男性との出会い
宮脇さんが救急集中治療室に異動して間もなく、体重200キロの引きこもりの男性が搬送されてきました。男性は、「しんどいから、殺してくれ」と訴え、その壮絶な状況に宮脇さんは言葉を失いました。しかし、献身的な看護と治療の結果、男性は最終的に自分の足で病院を後にすることができました。この経験を通して、宮脇さんは救命救急の仕事に携わる者として、どんな状況でも決して諦めない強い意志と、患者さんの心に寄り添う温かい心を持ち続けることの大切さを改めて実感したそうです。
救急搬送のイメージ
熊本地震での経験
2016年の熊本地震。兵庫医科大学病院救命救急センターの上田敬博医師は、災害医療チームの一員として被災地へと向かいました。現地で上田医師は、宮脇看護師と出会います。高度治療室(HCU)所属の宮脇看護師が被災地支援を志願したことに、上田医師は驚きと同時に感銘を受けました。被災地を共に巡る中で、宮脇看護師の介護士から看護師へと至った経歴、そして患者に寄り添う真摯な姿勢を知り、上田医師は深い感銘を受けました。
介護士から看護師へ
宮脇看護師は、もともと介護士として働いていました。しかし、患者さんのためにより多くのことをしたいという思いから、働きながら看護師の資格を取得。その後、高度救命救急センターへと進み、日々命と向き合う現場で活躍しています。彼の弛まぬ努力と献身的な姿勢は、まさに「覚悟」という言葉がふさわしいと言えるでしょう。
熊本地震被災地のイメージ
救命救急の仕事に必要なもの
救命救急の現場は、常に命の危険と隣り合わせです。だからこそ、医療従事者には高い専門知識と技術だけでなく、強い精神力と患者への深い共感が求められます。宮脇さんのように、どんな困難な状況にも屈せず、患者さんのために全力を尽くす「覚悟」を持った医療従事者がいるからこそ、多くの命が救われているのです。 日本の救命救急医療を支える医療従事者の皆様に、心からの敬意を表します。
著名な救命救急医、佐藤先生(仮名)は、「救命救急の現場では、常に最悪の事態を想定し、最善を尽くすことが重要です。そして、何よりも患者さんの心に寄り添うことが大切です。」と述べています。
救命救急医療の現場で働く方々の献身的な努力に感謝し、私たちも健康に気をつけ、安全な生活を送るよう心がけましょう。