両親との関係に悩みを抱えながら生きてきた50代女性。離婚を機に実家に戻ると、そこには想像を絶する光景が広がっていました。ゴミ屋敷と化した家、そしてW認知症の両親…。今回は、そんな壮絶な現実と向き合い、介護の試練を乗り越えようとする女性の物語をご紹介します。
会話のない家庭、そして両親の異変
北海道在住の胡麻由芽さん(仮名・50代)は、24歳で結婚し、二人の娘に恵まれました。しかし、自身が無会話の冷たい家庭で育った経験から、「同じような家庭にはしたくない」と仕事、家事、育児に奮闘。40歳でうつ病と診断され、追い打ちをかけるように夫の不倫と借金が発覚。長女の言葉に後押しされ離婚を決意し、娘二人と共に実家へ戻ることになりました。
実家に戻った由芽さんを待っていたのは、変わり果てた両親の姿でした。父親は76歳、母親は73歳。二人は家庭内別居状態で、1階はゴミ屋敷と化し、父親は着替えもままならない状態。母親は2階でインスタント食品中心の生活を送っていました。
散乱したゴミ
経済破綻とW認知症
父親はレビー小体型認知症とパーキンソン病を併発し、ギャンブルで貯金を使い果たしていました。母親は海馬縮小型認知症と診断。由芽さんは父親の年金を管理し、自身の収入と合わせて生活費を捻出することにしました。
「認知症介護研究会」代表の伊東家勝氏によると、レビー小体型認知症は幻視や妄想、パーキンソン症状などを伴う認知症で、初期症状を見逃しやすいとのこと。また、海馬縮小型認知症は記憶障害が中心で、進行が緩やかなのが特徴です。由芽さんの両親のように、異なるタイプの認知症が同時に発症するケースも珍しくありません。
介護の始まりと葛藤
要介護2の父親、要支援2の母親の介護が始まりました。由芽さんは、慣れない介護に戸惑いながらも、娘たちの協力を得ながら懸命に両親の世話をする日々。介護サービスの利用も検討し始めました。
介護サービスの活用
介護サービスには、訪問介護、デイサービス、ショートステイなど様々な種類があります。伊東氏によると、それぞれの状況に合ったサービスを組み合わせることが重要で、ケアマネジャーとの相談が不可欠とのこと。由芽さんはケアマネジャーに相談し、最適な介護プランの作成を依頼しました。
それでも前を向いて
冷たい家庭環境で育ち、うつ病、離婚、そして両親のW認知症と、数々の困難に直面してきた由芽さん。それでも、娘たちのために、そして両親のために、前を向いて生きていくことを決意しました。
この物語は、介護の現実と向き合う多くの家族にとって、共感できる部分も多いのではないでしょうか。介護は決して楽ではありませんが、周りの人に支えられながら、一歩ずつ進んでいくことが大切です。
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