イーロン・マスク氏の長女ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン、日本留学経験と父との複雑な関係

イーロン・マスク氏の長女であるヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン氏は、その出自だけでなく、トランスジェンダーとしてのカミングアウト、日本への留学経験、そしてSNSを通じたインフルエンサー活動で注目を集めています。日本語も勉強しているという彼女は、LGBTQ+コミュニティーに対し、自分らしく生きることの重要性を力強く訴え続けています。世界一の富豪を父に持ちながらも、自身のアイデンティティを確立し、独自の道を歩むヴィヴィアン氏について、これまでに分かっている事実をまとめます。

トランスジェンダーとして自分らしく生きるイーロン・マスク氏の長女、ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン氏。トランスジェンダーとして自分らしく生きるイーロン・マスク氏の長女、ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン氏。

イーロン・マスク氏との複雑な関係とヴィヴィアン氏の決意

世界有数の富豪であるイーロン・マスク氏は、ヴィヴィアン氏がトランスジェンダーであることを2020年にカミングアウトした際、経済的な支援を含め、彼女を「勘当」したとされています。2024年7月、イーロン氏が大統領選でドナルド・トランプ氏への支持を正式表明した数日後、保守系メディアの番組司会者ジョーダン・ピーターソン氏とのインタビューで、彼はヴィヴィアン氏について「世に蔓延するリベラル意識に殺られてしまった」とし、「自分にとっては死んだも同然」という衝撃的な発言をしました。

これに対し、21歳を迎えたヴィヴィアン氏はアメリカ版『Teen Vogue』のインタビューで当時を振り返り、「もう一切気にしない」と強い意志を示しました。「私の心の中のスペースを誰にも渡さない。唯一、個々のスペースを避けるとしたら大好きなドラァグクイーンたちのためだけ」と語っています。ヴィヴィアン氏は性転換のプロセスを終えた後、正式に改名し、父親の「マスク」という姓も捨てました。彼女は当時の状況について、「彼は母ほど協力的じゃなかった。まず、私は彼と何ヶ月も口をきかなかったので、テストステロン阻害薬を手に入れたり、ホルモン補充療法を受けたりするのに親の同意書を得なければならなかった」と明かし、「彼なんてもう知ったこっちゃない。全く関係ない。彼と関連づけて見られるのは迷惑。もう気にかける余地はない」と、父親との関係への心境を語っています。

母親ジャスティン・ウィルソン氏からの温かい支援

一方で、ヴィヴィアン氏は母親であるジャスティン・ウィルソン氏とは非常に親密な関係を築いています。ジャスティン氏は、ヴィヴィアン氏の性転換プロセスに「とても協力的だった」とヴィヴィアン氏は語っています。「彼女はSci-Fi(サイファイ)系のロマンス小説作家で、彼女の作品から今のヴィヴィアンとしての多くのアイデンティティーが形成されたと思う。ちょっとダサくて、オンライン中毒なところとか」と、母親が自身の個性形成に与えた影響を述べています。ヴィヴィアン氏がカミングアウトした際、ジャスティン氏は「『あぁ、それで納得したわ』と。ある種、いろいろな説明がついたみたいで、カミングアウトした時、30秒くらいはちょっと驚いたフリをしていたけど、すぐに理解してくれました」と、母親がすぐに理解と支援を示してくれたことを明かしています。

ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン氏は、著名な家庭に生まれながらも、自身のアイデンティティと幸福を追求するために困難な道のりを歩んでいます。父親との疎遠という状況に直面しながらも、母親の揺るぎない支援を受け、トランスジェンダーのインフルエンサーとして、世界中の人々に勇気を与え続けています。彼女の生き方は、自己受容と他者からの理解の重要性を示すものと言えるでしょう。

参考文献

  • Harpers Bazaar Japan. (2024年3月25日). 「イーロン・マスクの長女ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソンについてわかっていること」. Yahoo!ニュースより引用.
  • Teen Vogue. (参照日不明). Vivian Jenna Wilson Interview. (オリジナル記事の情報源に基づき記載)
  • Jordan Peterson Interview. (2024年7月). (オリジナル記事の情報源に基づき記載)