【台風19号】栃木県鹿沼市の小学校 3週間ぶりに自分たちの校舎で授業再開





自分たちの校舎での授業が再開し、笑顔を見せる児童=5日、鹿沼市下粕尾の鹿沼市立粕尾小学校(根本和哉撮影)

 台風19号で敷地内に土砂が流れ込む被害を受け、近隣の小学校の空き教室を借りて授業を行っていた栃木県鹿沼市の小学校が5日、自分たちの校舎での授業を再開した。約3週間ぶりに慣れ親しんだ校舎に帰ってきた児童は「戻ってこれてよかった」と笑顔で授業に臨んだ。

 同市立粕尾小学校(同市下粕尾)の校庭や体育館には台風によって崩れた裏山の土砂が大量に流入。校舎への被害はなかったものの、土砂災害の危険が残るとして地域に避難勧告が出されていたことから、先月23日から約5キロ離れた同市立粟野小学校(同市口粟野)の空き教室を間借りして授業を行っていた。

 その間、授業のない教職員や自衛隊員が土砂を撤去。作業が一段落し、避難勧告もすでに解除されたことから、自分たちの校舎での授業再開が実現した。

 この日は全校児童37人が元気に登校。朝会で江口秀彦校長(56)が児童らに「おかえり」と声をかけ、児童らは「ただいま」と応じた。江口校長は「みんながまたここで勉強できるよう頑張ってくれた人たちに、感謝の気持ちを忘れてはいけない」と話すと、児童らはうなずいていた。4年生の関口愛さん(10)は「粕尾小が好きなので、戻れてうれしい」と笑顔を見せた。

 県学校安全課によると、粕尾小の再開によって、県内で自分たちの校舎で授業を再開できていない公立の小中高校は同市立清洲第一小学校(同市久野)のみとなった。一方、校舎や設備が浸水して一部使用できないまま授業を再開している学校も多くあり、完全な復旧の見通しは立っていないという。



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