バイデン氏調査にウクライナも困惑 米下院委が関係者証言公開


 【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐり弾劾調査を進めている下院委員会は4日、米国のヨバノビッチ前駐ウクライナ大使らが行った非公開証言の記録を公開した。それによるとヨバノビッチ氏は、ウクライナのアバコフ内相が、バイデン前副大統領めぐる問題の調査に関与することは米国政治への干渉になるため「非常に危険だ」との危惧を示していたと説明。米外交官たちのみならず、ウクライナ側にもトランプ政権側の動きへの困惑があったことが浮かび上がった形だ。

 下院は10月末に弾劾調査を正式承認する決議案を可決。これまでの非公開証言の記録を公開するとしていた。決議後の公開は今回が初めて。

 バイデン氏をめぐる問題調査はトランプ氏の顧問弁護士、ジュリアーニ元ニューヨーク市長が主導していた。公開された記録によると、アバコフ氏はジュリアーニ氏らの工作活動を警戒して接触を避けていたが、今年2月に電話会談。その後、ヨバノビッチ氏に調査に関与することへの懸念を伝えたという。

 ジュリアーニ氏の活動をめぐっては、現場の米外交官らの間にも懸念が広がっていたことが判明している。

 ヨバノビッチ氏は国務省にジュリアーニ氏の活動を伝えたが阻止する動きはなかったとも証言し、本省が同氏の活動を容認していたとの認識を示した。

 また、ポンペオ国務長官の上級補佐官を最近退任したマイケル・マッキンリー氏の非公開証言の記録も公開された。

 マッキンリー氏は、調査に非協力的だとジュリアーニ氏から批判されたヨバノビッチ氏を擁護する声明を発表するようポンペオ氏に3回促したものの、助言は受け入れられなかったと説明。「(バイデン氏を)政治的に中傷するための情報入手」が職務になったことが辞任の一因だったとした。



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