「一票の格差」が最大3・00倍だった7月の参院選は、投票価値の平等を定めた憲法に反するとして、秋田を除く東北5県の有権者が選挙無効を求めた訴訟の判決で、仙台高裁(山本剛史裁判長)は5日、「著しい不平等状態ではなかった」として「合憲」と判断、請求を棄却した。
弁護士グループが全国14高裁・高裁支部に起こした一連の訴訟で9件目の判決。これで合憲7件、「違憲状態」2件となった。原告側は即日上告した。
前回平成28年参院選は、2県を1つの選挙区に統合する「合区」を導入、5倍前後で推移していた格差が3・08倍に縮小。その後、定数6増(埼玉選挙区2、比例4)の改正公選法が成立し、今回参院選で格差はわずかに縮小した。
山本裁判長は国会の対応について「選挙制度の抜本的な見直しをしたとまではいえない」としつつも、格差を是正したことは一定程度評価した。