日産とホンダの経営統合白紙撤回、800億円の赤字転落…苦境に立たされる日産自動車。かつてV字回復を成し遂げたカルロス・ゴーン元会長は、この現状をどう見ているのか。週刊ポストの独占インタビューで、ゴーン氏は現在の状況を「1999年以前の姿に戻ってしまった」と評し、経営陣のリーダーシップ不在を厳しく批判しました。
ゴーン氏、日産の現状を憂慮:リーダーシップの欠如が最大の課題
日産とホンダの経営統合に関するニュース記事の画像
1999年、6844億円もの巨額赤字を抱えていた日産に救世主として現れたゴーン氏。大胆なリストラと経営改革「日産リバイバルプラン」を断行し、わずか数年でV字回復を達成。しかし、2018年の金融商品取引法違反容疑での逮捕、そして2019年の劇的なレバノンへの逃亡劇は、世界中に衝撃を与えました。
今回のインタビューでゴーン氏は、自身の逃亡については「後悔していない」と断言。同時に、現在の経営陣に対し「ビジョンがなく、財務をはじめ経営問題を抱えている」と辛辣な言葉を投げかけました。18年間かけて築き上げたものが無駄になったと嘆き、時価総額の大幅な下落を指摘し、経営陣の責任は重大だと糾弾しました。
コストカットではなく、リーダーシップの再構築が必要
1999年に日産リバイバルプランを発表するカルロス・ゴーン氏の画像
“コストカッター”として知られるゴーン氏ですが、現在の日産の課題はコスト削減だけではないと強調。真の問題は「リーダーシップの欠如」だと指摘し、明確なビジョンと強いリーダーシップの必要性を訴えました。
ゴーン氏は、1999年当時、多くの人から日産の再建は不可能だと言われたことを振り返りつつ、「人間が作り出した問題を、人間が解決できないことはない」と、日産再生への可能性を改めて示唆しました。
ゴーン氏が提唱する「新・日産リバイバルプラン」とは?
ゴーン氏は、日産再建のための具体的なプラン「新・日産リバイバルプラン」についても言及。マネーポストWEBでは、今回の独占インタビュー全文を先行公開しており、ホンダとの経営統合破談の真の原因、日産の抱える課題、そして鴻海精密工業の狙いなど、ゴーン氏の考えを深く掘り下げています。
かつて日産を救ったゴーン氏の提言は、混迷を深める日産にとって、一筋の光明となるのでしょうか。今後の日産の動向に注目が集まります。