日本マクドナルドは、2025年8月29日から予定していたハッピーセット「ワンピースカードゲーム」の提供見送りを20日に発表しました。ハッピーセット自体は提供されますが、過去のキャンペーンで配布されたおもちゃなどが代替として提供されるとのことです。この決定は、近年「ちいかわ」や「ポケモン」といった人気キャラクターとのコラボ企画で頻発した、転売行為、食品の大量廃棄、そして店頭におけるオペレーションの混乱といった問題が背景にあります。マクドナルド側も「ハッピーセット関連施策見直しの一環」として今回の決断に至ったと説明しています。
マクドナルド店舗の様子とたびたび炎上するハッピーセット企画の背景
消費者庁も懸念表明:過去の炎上事例が影響
今回の見送り発表の翌日、21日には消費者庁の定例記者会見が開かれ、堀井奈津子長官は日本マクドナルドに対し、食品ロスにつながらない販売方法の改善や再発防止策の徹底を要望したことを明らかにしました。この政府機関からの要請は、以前のハッピーセット企画における問題が社会的な関心事となっている現状を浮き彫りにしています。直近では2025年5月に販売された「ちいかわ」コラボのハッピーセットが、開始からわずか3日間で第1弾の販売を終了するという異例の事態となり、その際も転売問題や大量購入による商品の廃棄が問題視されました。こうした一連のトラブルが積み重なり、マクドナルドは今回の「ワンピースカードゲーム」企画を再検討せざるを得ない状況に追い込まれたと言えるでしょう。
「見送り」は賢明な判断か?再開の可能性は?
実施予定のわずか9日前に発表された今回の見送りは、マクドナルド社内でも「苦渋の選択」であったと推測されます。過去の失敗を踏まえ、対策を講じることもできたはずだという意見もありますが、万が一、再び転売問題や批判が再燃する事態は、企業イメージにとって致命的となるため、避ける必要がありました。「三度目の正直」とは言いますが、同じ過ちを三度繰り返せば「改善の意思がない」と見なされかねません。こうしたリスクを考慮すれば、一旦見送って抜本的な対策を練り直すことは、結果として賢明な判断だったと言えます。
注目すべきは、マクドナルドが「中止」ではなく「見送り」という言葉を使っている点です。これは、有効な対策の見通しが立てば、将来的に「ワンピースカードゲーム」のハッピーセット企画が再開される可能性が十分にあることを示唆しています。ただし、そのためには、転売対策、食品ロス対策、そして店舗運営の混乱を最小限に抑えるための具体かつ実効性のある販売方法の改善策を確立できるかどうかが鍵となります。
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