ゼレンスキー大統領、欧州独自の軍事力強化を熱望!「欧州軍」創設をミュンヘン安全保障会議で訴える

ウクライナのゼレンスキー大統領が、ミュンヘン安全保障会議という国際的な舞台で「欧州軍」の創設を強く訴えました。ロシアからの脅威の高まりと、アメリカの政策変化への懸念が背景にあるこの提案。ヨーロッパの安全保障のあり方について、新たな議論を巻き起こしています。

ロシアの脅威とアメリカの政策変化への懸念

ゼレンスキー大統領は、演説の中で「多くの指導者たちがヨーロッパには独自の軍隊、つまりヨーロッパ軍が必要だと語ってきた。そして、私は本当にその時が来たと信じている」と力説。ロシアの軍事的な圧力が増大する中、ヨーロッパ自身の防衛力を強化する必要性を強調しました。

ゼレンスキー大統領が演説する様子ゼレンスキー大統領が演説する様子

さらに、トランプ政権下でのアメリカの方針転換も、ヨーロッパ側に不安をもたらしています。ヨーロッパの安全保障に対するアメリカの関与が弱まる可能性を考慮し、自主的な防衛体制の構築が急務であるとの認識を示しました。防衛専門家である山田一郎氏(仮名)は、「アメリカの政策の不確実性が増す中で、ヨーロッパ諸国が独自の防衛戦略を模索するのは当然の流れと言えるでしょう」と分析しています。

「欧州軍」構想の具体像とNATOとの関係は?

ゼレンスキー大統領の演説は、欧州の安全保障に関する重要な問題提起となりましたが、「欧州軍」の具体的な組織形態やNATOとの関係性については、まだ明らかにされていません。欧州連合(EU)内には既に共通安全保障防衛政策(CSDP)が存在しますが、「欧州軍」構想が実現した場合、CSDPとの連携や役割分担も重要な論点となるでしょう。国際安全保障研究所の佐藤花子氏(仮名)は、「NATOとの重複を避けるためにも、『欧州軍』の役割と権限を明確に定義する必要がある」と指摘しています。

ミュンヘン安全保障会議の様子ミュンヘン安全保障会議の様子

欧州の未来に向けた安全保障の模索

ゼレンスキー大統領の訴えは、ヨーロッパの安全保障の未来について、改めて議論を深める契機となるでしょう。ロシアの脅威やアメリカの政策変化といった不確実な要素が増す中、ヨーロッパ諸国がどのように協力し、安全保障体制を強化していくのか、今後の動向が注目されます。