神奈川県平塚市は5日、市議選立候補のため市職員を辞める前後に市民の個人情報を持ち出したとして、市個人情報保護条例違反の罪で、渡部亮市議を県警平塚署に告発し、受理されたと発表した。
市によると、渡部市議は市教育委員会に勤務していた昨年11月29日と、退職翌日の12月22日に、職場のパソコンに保存されていた市民の氏名や住所のデータ延べ約3万1千件をUSBメモリーにコピーした。選挙用のはがき作成に利用したとしている。
渡部市議は今年4月の市議選で初当選。匿名の市民から「選挙はがきが送られてきた。個人情報が漏れているのではないか」と市に連絡があった。調査の結果、持ち出されたデータに含まれていた市民2人に選挙はがきが届いていたことを確認した。渡部市議は8月の記者会見で「お世話になった人にあいさつするため」とデータの一部持ち出しを認めたが、選挙運動への利用については「分からない」としていた。