若者の間で蔓延する「合法紙」ドラッグの実態とは?元脱法ハーブ常用者に聞くその恐ろしい吸引力

近年、若者の間で「合法紙」と呼ばれる、薬物が染み込んだ紙片の乱用が深刻化しています。大麻グミの規制強化を受け、新たな脱法ドラッグとして登場した合法紙は、LSDに似た効果を持つ成分を含みながらも、法の網を潜り抜けているため「合法」と呼ばれています。本記事では、かつて脱法ハーブに依存していた20代OLのA子さんへのインタビューを通して、合法紙の危険性と依存の実態に迫ります。

合法紙とは?その効果と危険性

簡単な摂取方法と強力な効果

A子さんは、合法紙の効果について「大麻グミの倍くらい」と表現し、1センチ四方の紙片を舌下吸収するだけで、12時間もの間覚醒状態が続くといいます。手軽な摂取方法と強力な効果が、若者を中心に広まっている要因の一つと考えられます。薬物依存専門医の佐藤先生(仮名)は、「合法紙に含まれる成分は、脳神経系に直接作用し、幻覚や妄想などの精神症状を引き起こす可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

altalt(合法ドラッグの蔓延:薬物入りの紙片)

脱法ドラッグから合法紙へ:依存の連鎖

脱法ハーブ常用者のA子さん

A子さんは、かつて大麻グミをはじめとする様々な脱法ハーブ製品に依存していた過去を持ちます。当時、「デイリー新潮」の取材に対し、様々な種類の脱法ハーブの使用経験を明かしていました。HHC、HHCO、THCO、HHCHなど、次々と登場する新たな成分を試すうちに、効き目が薄れていったことから一時的に使用を中断したものの、合法紙の登場により再び薬物依存の道に引き戻されてしまったのです。

新たな脱法ドラッグの登場

大麻取締法の改正により、多くの脱法ハーブ成分が規制対象となりました。しかし、規制をかいくぐる形で新たな脱法ドラッグが登場し続ける現状に、専門家らは危機感を募らせています。「いたちごっこが続いている」と語るのは、薬物問題に詳しいジャーナリストの田中氏(仮名)。「規制強化と同時に、新たな物質の開発・流通が行われており、根本的な解決には至っていない」と指摘しています。

altalt(A子さんが所持していた脱法ドラッグ)

合法紙の危険性と対策

依存性の高さ

合法紙は、他の脱法ドラッグと同様に依存性が高いとされています。A子さんのように、一度薬物依存から脱却したにも関わらず、再び新たな薬物に手を出してしまうケースは少なくありません。依存症は、単なる意志の弱さではなく、脳の機能に影響を与える深刻な病気です。

社会全体での対策が必要

合法紙の蔓延を防ぐためには、法規制の強化だけでなく、教育機関や家庭での啓発活動、依存症者への適切な支援体制の構築など、社会全体での取り組みが不可欠です。

まとめ:合法紙の危険性を認識し、適切な行動を

合法紙は、一見「合法」という名前から安全なように思われがちですが、実際には深刻な健康被害や依存症のリスクを伴う危険な薬物です。その危険性を正しく認識し、自身や周囲の人々が薬物に手を出さないよう、注意を払う必要があります。