ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのウクライナ侵攻終結に向けた和平協議において、ウクライナ不在のまま議論を進める動きに強い不快感を示しました。この記事では、ゼレンスキー大統領の発言内容やトルコのエルドアン大統領との会談、そして今後の和平交渉の見通しについて詳しく解説します。
ゼレンスキー大統領、米ロ外相協議を批判
トルコを訪問中のゼレンスキー大統領は、エルドアン大統領との共同記者会見で、サウジアラビアで行われた米ロ外相協議について批判しました。ウクライナ抜きで和平交渉を進めることは容認できないとし、「われわれの背後で何かを決めてほしくない」と強い言葉で訴えました。
ゼレンスキー大統領とエルドアン大統領の共同記者会見
ゼレンスキー大統領の発言は、ウクライナ紛争の当事者としての立場を明確に示すものであり、和平交渉におけるウクライナの主導権を確保する狙いがあると見られます。国際社会からの支援を受けつつも、自国の意思を尊重した和平実現を目指す姿勢が改めて強調されました。
サウジ訪問延期、米国代表団との会談へ
ゼレンスキー大統領は、当初19日に予定されていたサウジアラビア訪問を3月に延期すると発表しました。代わりに、「キーウで米国代表団を待つ」と述べ、米国のウクライナ・ロシア担当特使ケロッグ氏との会談を優先する意向を示しました。
ゼレンスキー大統領
この決定は、米国との連携強化を図り、ウクライナの立場を改めて米国側に伝える狙いがあると分析されています。今後の和平交渉において、米国との緊密な協力関係を維持していくことが重要と判断したと考えられます。
トルコの和平交渉への関与
エルドアン大統領は共同記者会見で、「トルコは(和平交渉の)理想の開催地になる」と述べ、トルコも交渉に関与させるよう国際社会に呼びかけました。地理的な優位性やロシアとの関係性などを背景に、仲介役としての役割を積極的に担いたいというトルコの思惑がうかがえます。
ウクライナ紛争の終結に向けて、様々な国や地域が和平交渉への関与を表明しています。今後の交渉の行方は、各国の思惑が複雑に絡み合いながら、予断を許さない状況が続いています。