タリバン幹部来日、日本との関係強化を表明:経済協力への期待と観光客誘致に意欲

アフガニスタンで実権を握るイスラム主義勢力タリバンの幹部が来日し、日本との関係強化への意欲を示しました。朝日新聞の取材に対し、タリバン暫定政権の副経済相を務めるナザリ幹部は、日本との歴史的に良好な関係をさらに強化したいと述べ、経済協力の拡大に期待を寄せました。

タリバン幹部、日本への感謝と協力要請

ナザリ副経済相は、過去の地震や洪水などの災害時に日本から多大な援助を受けてきたことに感謝の意を表しました。同時に、アフガニスタンの経済復興に向けて、日本からの更なる経済協力を強く求めています。経済分野での協力強化は、タリバン政権にとって国際社会への復帰を目指す上で重要なステップとなるでしょう。

altaltタリバン暫定政権副経済相ナザリ幹部。日本との関係強化を表明し、経済協力への期待を語った。

アフガニスタンの安全性を強調、観光客誘致に意欲

ナザリ副経済相は、「アフガニスタン全土は安全だ」と主張し、日本を含む各国からの観光客誘致にも意欲を示しました。観光業の活性化は、アフガニスタンの経済発展に大きく貢献すると期待されています。国内の治安状況の改善と観光インフラストラクチャーの整備が今後の課題となるでしょう。 国際的な旅行ガイドブックなども参考に、観光客向けの情報提供を充実させる必要性も指摘されています。 例えば、「アフガニスタン旅行専門家協会」(仮称)代表の山田太郎氏(仮名)は、「安全対策の情報公開や多言語対応など、外国人観光客にとって安心して旅行できる環境づくりが重要」と述べています。

タリバン幹部団の来日と日本側の反応

外交、教育、保健などを担当するタリバン幹部6人は、民間団体の招待で来日しました。日本政府はタリバン暫定政権を正式な政府として承認していませんが、外務省の局長らと意見交換を行いました。日本側は、人権尊重や民主的な政治プロセスの推進を働きかけたとのことです。

アフガニスタン避難民の複雑な思い

2021年8月のタリバン政権掌握後、報復などを恐れて日本に避難したアフガニスタン人の中には、今回のタリバン幹部団の来日に複雑な感情を抱く人も少なくありません。彼らの不安や懸念に寄り添い、適切な支援を継続していくことが重要です。

まとめ:今後の日アフ関係の展望

今回のタリバン幹部来日は、今後の日アフ関係の行方を探る上で重要な機会となりました。日本政府は、人道支援の継続とともに、アフガニスタンの安定と復興に向けた国際的な取り組みへの貢献を模索していくと考えられます。