3月2日までに2025年度予算案を衆院通過させ年度内の自然成立を確実にしたい石破茂内閣に暗雲が漂い始めた。自民党の旧安倍派会計責任者に対する参考人聴取を巡り野党との調整が難航。質問案に「赤入れ」をして戻し立憲民主党を激怒させるなど野党逆なでの事態も続出し、ずるずると日程を費やしているためだ。タイムリミットまで残り10日を切ったが、22日以降の平日は4日間のみ。今年のカレンダーに見放されている格好だ。
◆「調整」に「そんなレベルじゃない」
自民の「赤入れ」は立民国対委員会の笠浩史委員長(衆院神奈川9区)、後藤祐一委員長代理(16区)の「神奈川国対コンビ」を「検閲だ」と激怒させ、19日の衆院予算委員会での集中審議が流会となる騒動を招いた。21日の同委では同党の米山隆一氏が自民総裁でもある石破首相をただした。
「赤入れ介入は事実か。正当だと思うのか」との問いに、首相は「限られた時間での聴取になるので質問事項の重複を避けるために整理・調整を立憲(民主党)さんとも連携して行った」などと釈明した。
野党席からは「(赤入れは)そんなレベルじゃないぞ」などと怒号。米山氏は「『ふさわしくない(内容)』との(質問案への)文句も添えられていたそうですね」と赤入れの内容が「整理・調整」とのレベルを超えていることを皮肉った。
◆残る平日は4日のみ
政府予算案は衆院で可決し参院送付後、審議途中であっても30日を経れば自然成立する。与党が年度末の3月31日まで30日となる同月2日までの採決を急ぐゆえんだ。ところが今年は1日、2日が土日に当たり、2月28日までに可決しなければならない。
衆院予算委の安住淳委員長は立民所属。与党の思惑をくむ格好で異例の休日開催を認める可能性はほとんどないとみられる。22日からは3連休で、平日は火曜日の25日から28日までの4日間。25日には予算採決の前提である中央公聴会が行われる。
神奈川新聞社