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20世紀型の国際秩序は終焉し、主権国家が群雄割拠する時代に向かう。そんな見通しを示す報告書がロシアの保養地ソチで開かれた討論会で発表された。出席した米欧の学者や外交官らからも特に異論は出なかったといい、ルールに基づく自由で公正な秩序の継承と発展を目指す議論が盛んな日本の外交・安全保障コミュニティとの温度差が目立っている。(外信部 平田雄介)
報告書は、露政府系シンクタンクのヴァルダイ討論クラブがまとめた。討論会は9月末~10月初旬に開かれ、プーチン露大統領も出席した。
そこで提示された世界観は、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」との憲法前文を奉じてきた日本人にとっては、容易には受け入れられないものかもしれない。
報告書は、2度にわたる世界大戦の教訓から米国が主導して築いた世界秩序は、歴史的にはむしろ例外であり、「国際関係はアナーキー(無政府)な状態が自然だ」と指摘。米国が国際秩序を支える意思を弱め、興隆する中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて勢力圏を拡げる現状にあっては、20世紀型の国際秩序は「過去のものだ」と切り捨て、「独立した諸国がそれぞれに責任をもって行動する新ルールに取って代わられる」と主張した。
ロシアも存在感を発揮できる新たな世界のあり方を提示した報告書といえる。
「今の変化は中国やロシアにとって大変なチャンス。10年後には全く違う国際秩序が生まれているかもしれない」。討論会に出席した慶応大の細谷雄一教授は、独立系シンクタンク平和・安全保障研究所(RIPS)と同志社大が10月5日に京都で共催したシンポジウム「米中対立と今後の国際秩序」での基調講演でこう報告した。
新しい国際秩序とはどんな姿か。基調講演に続く討論でキーワードとなったのは技術革新だ。近い将来、人工知能(AI)と第5世代(5G)移動通信システムが汎用化されることで、中国の権威主義的な統治システムが各国に広まるのではないかと懸念されている。
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