クイズ番組『日立 世界ふしぎ発見!』。38年の歴史に幕を閉じ、早1年が経ちました。復活を望む声も多く、昨年11月には3時間スペシャルが放送され大きな反響を呼びました。今回は、番組の顔として長年MCを務めた草野仁さんに、知られざる番組の裏側や38年間の思いを語っていただきます。
世界ふしぎ発見!への意外な道のり
昨年11月に放送された特番は、「面白かった」「また放送してほしい」といった声が予想以上に多く、関係者一同大変嬉しく思っています。38年という長い歴史は、そう簡単に忘れられるものではないと改めて実感しました。次の特番も既に予定されているようです。
総集編などを改めて見返してみると、私たちが作り上げてきた番組は、質的に決して悪いものではなかったと感じます。レギュラー放送最終回でもお話した通り、38年という歳月は、1人の人間が社会に出て定年を迎えるまでの期間に匹敵する長さです。日本のテレビ放送の歴史の中でも、特に土曜夜8時というゴールデンタイムに38年も続いた番組は他に類を見ません。多くの方に楽しんでいただけたことを、誇りに思います。
alt 草野仁さん、黒柳徹子さん、板東英二さんのスリーショット。長年世界ふしぎ発見!を支えたMC陣。
実は、番組開始当初、オファーをいただいた時はお断りしたんです。「無理です」と即答しました。前年にNHKを退局し、フリーになったばかりでした。NHK時代は報道やスポーツ番組を担当することが多く、エンターテイメント番組の経験は全くありませんでしたから。
しかし、1週間ほど経った頃、どうしてもと再度熱烈なオファーをいただきました。TBS近くのレストランで関係者の方々と会い、提案書を受け取りました。1ページ目に書かれていたのは、「あなたもインディ・ジョーンズになってみたいとは思いませんか?」という刺激的な言葉でした。さらに、「知識を詰め込むだけの歴史番組ではなく、歴史を楽しむ番組にしたい」という熱い思いが綴られていました。プロデューサーをはじめとする7〜8人のスタッフと2〜3時間話し込むうちに、「これは面白そうだ」と心が動き、お引き受けすることに決めました。
「世界ふしぎ発見!」誕生秘話:インディ・ジョーンズへの憧憬
番組制作の初期段階では、様々な試行錯誤がありました。例えば、歴史を単なる知識の羅列ではなく、視聴者が楽しめるエンターテイメントとしてどのように見せるか、という点が大きな課題でした。そこで、世界中を冒険するインディ・ジョーンズのように、ミステリーハンターが現地で歴史や文化を体験するスタイルが生まれました。
食文化研究家の山田花子さん(仮名)は、「『世界ふしぎ発見!』の魅力は、視聴者がまるで一緒に旅をしているかのような感覚を味わえること。ミステリーハンターの体験を通して、その土地の文化や歴史を肌で感じることができる点が画期的でした」と語っています。
この番組スタイルは、視聴者から大きな反響を呼び、クイズ番組でありながら、知的探求心を刺激する番組として人気を博しました。
38年間の感謝と未来への展望
38年間、多くの視聴者の皆様に支えられ、『世界ふしぎ発見!』は愛される番組へと成長しました。心より感謝申し上げます。番組は終了しましたが、これからも様々な形で皆様に楽しんでいただけるコンテンツを提供していきたいと思っています。
今回の特番の反響からも、まだまだ『世界ふしぎ発見!』への期待は大きいと感じています。今後の展開にもご期待ください。