高騰が続くコメの価格が家計を圧迫しています。スーパーに随意契約米が出回り始め、コンビニでも販売が開始されるなど、市場に変化が見られます。この記事では、こうしたコメ価格の現状と、政府の備蓄米放出、そして小売店の対応について詳しくお伝えします。
価格高騰の中、スーパーやコンビニで販売されるお米の袋
政府の備蓄米放出策:小泉大臣の表明
農林水産省の発表によると、今週(5月19日~25日)のスーパーでのコメ平均価格は5kgあたり4260円と、3週ぶりに値下がりしました。しかし、一般銘柄米やブレンド米を含む全体としては依然として価格帯に大きな幅があり、「3極化」の傾向が見られます。
こうした状況を受け、小泉進次郎農林水産大臣は6月3日、これまでの競争入札で放出された備蓄米について、業者が返還を希望する場合は政府が買い戻す考えを示しました。返還された備蓄米を随意契約で再度放出し、より安価なコメの供給を増やすことが狙いです。
さらに4日には「できることは全部やります」と述べ、残る約30万トンの備蓄米の一部を日本酒や味噌といった加工用として放出を検討していると明らかにしました。酒米や味噌原料の高騰、不足が現場で問題となっている状況への対応策としています。
小売最前線:コンビニでの備蓄米販売開始
一方、小売りの現場でも動きが出ています。大手コンビニエンスストアでは、政府が放出した備蓄米の販売が始まりました。
ファミリーマートでは、精米された「古古古米」が6月5日から(当初予定の6日から1日前倒し)東京と大阪の一部店舗で販売を開始しました。価格は1kgあたり388円(税込み)で、順次全国展開を目指す方針です。
ローソンでも一部店舗で販売が始まっており、価格は1kgが389円(税込み)、2kgが756円(税込み)となっています。セブンイレブンは、備蓄米を無洗米に加工し、2kgあたり800円前後での販売を見込んでいます。
コメ価格の高騰は国民生活に大きな影響を与えていますが、政府による備蓄米の戦略的な放出や、コンビニエンスストアなどの小売店による販売など、価格安定に向けた様々な取り組みが進められています。これらの動きが、消費者がより手頃な価格でコメを入手できるようになることに繋がるか、今後の展開が注目されます。