台湾の半導体産業を巡り、米中間の緊張が高まっています。中国政府は、台湾が半導体技術を米国に提供することで政治的支援を得ようとしていると非難。一方、台湾側はこうした批判に反論し、自国の産業保護の姿勢を明確にしています。この記事では、米中対立の渦中にある台湾半導体産業の現状と今後の展望について解説します。
中国、「売台」と批判を強める背景
中国国務院台湾事務弁公室は、台湾が半導体産業を「お土産」として米国に渡そうとしていると批判。「売台」そして「媚米」という言葉を用い、台湾の対米接近を強く非難しました。 中国にとって、半導体技術は国家安全保障上の重要課題であり、台湾のTSMCを代表とする半導体産業の動向は、米中覇権争いにおいて極めて重要な意味を持つのです。
台湾積体電路製造(TSMC)の工場(2023年2月撮影)
台湾、産業保護の姿勢を強調
中国の批判に対し、台湾の大陸委員会はTSMCを「重要な台湾企業」と位置づけ、自国の半導体産業の保護に力を入れる姿勢を明確に示しました。米国の政策変化が台湾経済に与える影響を注視しつつ、政府と産業界が連携して技術的優位性を維持していく方針です。台湾にとって、半導体産業は経済成長のエンジンであるだけでなく、国際社会における存在感を高める重要な要素となっています。
米中対立の激化、台湾半導体の未来は?
米中間の技術覇権争いが激化する中、台湾の半導体産業は難しい舵取りを迫られています。米国は自国での半導体生産強化を進めており、TSMCの米国工場建設もその一環です。一方、中国は台湾への圧力を強めており、半導体技術の流出阻止に躍起になっています。
台湾経済専門家である山田太郎氏(仮名)は、「台湾半導体産業は、米中両大国とのバランスを保ちながら、独自の道を模索していく必要がある」と指摘しています。「高度な技術力と柔軟な戦略によって、この難局を乗り越えられる可能性は十分にある」と、山田氏は台湾の未来に期待を寄せています。
台湾半導体産業の今後の動向に注目
台湾の半導体産業は、米中対立の狭間で岐路に立たされています。今後、台湾政府がどのような戦略を打ち出し、国際社会との協調を図っていくのか、その動向から目が離せません。 世界経済を左右する可能性を秘めた台湾半導体産業の未来は、まさに世界情勢の行方を占う重要な指標となるでしょう。