【不登校34万人突破】不安を抱える親子を支えるためにできることとは?

日本の未来を担う子どもたちの「不登校」問題。文部科学省の調査によると、2023年度はついに34万人を超え、11年連続で増加しています。今回は、この深刻な問題の現状と、不安を抱える子どもたちとその親を支える方法について考えてみましょう。

不登校の現状:増加の一途を辿る小学生

小学2年生の娘を持つ都内在住の女性(38歳)は、娘の不登校に不安を募らせています。原因は娘自身もよくわかっていないようで、学年末が近づくにつれ、「来年もこのままなのか」「高学年まで続くのか」と焦りは募るばかり。フリーランスで在宅勤務の彼女にとって、子どもの在宅は仕事への集中を阻害する要因にもなっています。

文科省の調査結果(2023年度)では、不登校の小中学生は34万6482人と、過去最高を更新。特に小学生の増加は深刻で、この10年で5倍に。中学生も2.2倍と増加傾向にあり、低年齢化も顕著です。

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小学1年生の娘を持つ別の女性(41歳)は、娘の行き渋りに悩まされていました。3月生まれで体格も小さく、6時間授業の日には疲弊しきっていた娘。親子で「体調不良以外の欠席は月1回まで」とルールを設けたところ、心に余裕が生まれたのか、今では渋らず登校できるようになったそうです。

不登校の背景:多様な要因と対応の難しさ

不登校の理由は実に様々です。AERAが2月に実施したアンケートによると、友達とのトラブルや発達障害による特性、起立性調節障害など、多岐にわたる要因が挙げられました。

学校現場ではスクールカウンセラーの配置など、対応策が講じられていますが、増加する不登校への対応は容易ではありません。例えば、起立性調節障害の場合、学校に行きたくても体が動かず、その板挟みで精神的に追い詰められる子どももいます。

専門家の声:子どもの声に耳を傾けることが大切

児童精神科医の田中先生(仮名)は、「不登校の子どもたちは、それぞれ異なるSOSを発信しています。周囲の大人は、その声に耳を傾け、適切な支援を提供することが重要です。焦らず、子どものペースに合わせて、ゆっくりと向き合っていくことが大切です」と述べています。

不登校の親子を支えるために:社会全体での理解と支援が必要

不登校は、子ども自身だけでなく、家族にとっても大きな負担となります。だからこそ、社会全体でこの問題を理解し、支援していく必要があります。

学校、家庭、地域社会が連携し、子どもたちが安心して過ごせる環境を整備することが重要です。また、不登校経験者やその家族の体験談を共有する場を設けることで、孤立を防ぎ、希望を見出すきっかけとなるでしょう。

親子の不安を軽減するためには、情報提供も重要です。例えば、不登校に関する相談窓口や支援団体、オンラインコミュニティなどの情報を積極的に発信することで、必要な支援にアクセスしやすくなります。

最後に、不登校は決して「恥ずかしいこと」ではありません。多様な学びの選択肢があることを認識し、子どもたちがそれぞれのペースで成長できるよう、温かく見守ることが大切です。