カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を表明した横浜市に進出を検討している海外IR事業者3社幹部が7日、同市内で講演し、IRによる地元企業や自治体へのメリットを強調した。一方で「IRイコールカジノではない」と述べるなど、IRやカジノへの反対論が根強い同市内でIRの理解促進に努める考えを示した。
3社幹部は、市商工会議所など9経済団体で作る推進協議会が共催するIRイベントの説明会で講演した。3社とも共通して訴えたのが、横浜のIRを地元企業や自治体と協力して、世界で最も優れたものにしようという意欲だ。
横浜や東京など首都圏への進出を表明している米ラスベガス・サンズのジョージ・タナシェビッチ氏は「(3つのタワーが有名な)マリーナベイサンズのような象徴的な建物を作りたい」と強調。「横浜ファースト」の立場の香港系メルコリゾーツ&エンターテインメントのローレンス・ホー会長兼最高経営責任者(CEO)も「世界で最もデザインの優れたIRを作りたい」と述べた。
タナシェビッチ氏は「既存のホテルにも観光客の利用が増えるだろう」と述べ、地元経済への波及効果もアピールした。
一方、横浜市ではIR否定論が根強いこともあり、3社幹部はカジノ依存症対策や顔認証による入場者規制の方法を説明し、IRの啓蒙(けいもう)活動を強化する方針を表明した。