近年、就職活動における東大生の動向が変化しています。かつては官僚が人気の就職先でしたが、現在では外資系コンサルティング会社に人気が集中しています。なぜ外資系コンサルがこれほどまでに東大生を惹きつけるのでしょうか?この記事では、その理由を待遇面や企業の魅力といった様々な角度から紐解き、東大生の就職事情の最新動向を解説します。
東大生の就職先ランキング、トップはコンサルティングファーム
近年、東大生の就職先として人気が高いのは、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、アクセンチュア、アビームコンサルティング、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、ボストン・コンサルティング・グループといった外資系コンサルティングファームです。「東京大学新聞社」のデータによると、2023年度卒業の学部生の就職先で最も多かったのはEYストラテジー・アンド・コンサルティングで、20名もの東大生が入社しています。
東大生の就職先
高待遇が魅力!外資系コンサルの年収は?
外資系コンサルティング会社の人気の理由は、何と言っても高待遇です。首都圏の大学就職課関係者によると、これらの企業は、給与水準が日本の企業とは比べ物にならないほど高いとのこと。就活アドバイザーによると、外資系コンサルの年収は、ジュニアアナリストで700~1000万円、シニアアナリストで1000~1300万円、バイス・プレジデントで1500万円以上、シニア・バイス・プレジデントで2000万円に達することもあるそうです。もちろん、これらの金額はあくまでも実力次第ですが、高い収入を得られる可能性があることは、学生にとって大きな魅力となっています。
なぜEYストラテジー・アンド・コンサルティングが人気なのか?
数ある外資系コンサルティングファームの中でも、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは特に東大生から注目を集めています。その理由は、ITコンサルティングに強みを持っている点です。顧客のニーズに応えるため、ITを活用したシステム構想、システム導入、設計、開発、検証までを一貫して行うEYストラテジー・アンド・コンサルティングでは、デジタル関連プロジェクトに携われる人材は即戦力として高く評価されます。特に近年、デジタル化が急速に進む中で、この分野での専門知識を持つ人材は引く手あまたとなっています。成長著しい企業であるため、若手にも多くのチャンスが与えられる点も魅力です。キャリアアップを目指したい東大生にとって、EYストラテジー・アンド・コンサルティングは理想的な環境と言えるでしょう。
ビッグ4の成長と魅力
デロイト トーマツ コンサルティング、PwCコンサルティング、EYストラテジー・アンド・コンサルティング、KPMGコンサルティングの4社は、M&Aを繰り返しながらコンサルティング事業を拡大し、巨大コンサルティングファームへと成長を遂げました。今ではコンサル業界の「ビッグ4」として、学生から絶大な人気を誇っています。これらの企業は、グローバルなネットワークと豊富なリソースを活かし、多様な業界のクライアントに対して質の高いコンサルティングサービスを提供しています。
変化する東大生のキャリア観
かつては官僚を目指す学生が多かった東大ですが、近年ではキャリアの選択肢が多様化し、外資系コンサルティング会社を選ぶ学生が増えています。外資系コンサルでは、高い専門性とビジネススキルを身につけることができ、グローバルな舞台で活躍できるチャンスが広がっています。また、成果主義の文化が根付いており、実力次第で高い報酬を得られることも魅力です。これらの要素が、東大生のキャリア観の変化を促していると言えるでしょう。
例えば、人事コンサルタントの山田花子さん(仮名)は、「近年の東大生は、安定よりも挑戦を求める傾向が強まっている」と指摘しています。グローバルな環境で自分の能力を試したい、社会に大きなインパクトを与えたいという思いを持つ学生にとって、外資系コンサルは魅力的な選択肢となっているようです。