台湾出身者が日本の戸籍の国籍欄に「台湾」と表記できるようになる改正が、5月下旬以降に施行される見込みです。この改正実現の背景には、日華議員懇談会(日華懇)の長年の尽力がありました。本記事では、改正の意義、日華懇の取り組み、そして中国側の反応など、多角的に解説していきます。
台湾表記実現の背景:人権問題への取り組み
これまで、台湾出身者が日本人と結婚し、配偶者の戸籍に記載される際、国籍は「中国」と表記されていました。これは、台湾の人々のアイデンティティを尊重しないものであり、長年にわたり問題視されてきました。日華懇は、台北駐日経済文化代表処や在日台湾人団体からの要請を受け、2022年11月に専門チームを立ち上げ、この問題解決に本格的に取り組み始めました。
日華懇の古屋圭司会長(前列左から3人目)、木原稔事務局長(同4人目)、滝波宏文参院議員(同2人目)
滝波宏文参院議員を座長とする専門チームは、法務省や外務省との協議を重ね、戸籍法施行規則の改正を実現へと導きました。1月21日に公表された改正案では、「国籍」欄が「国籍・地域」欄に変更され、「台湾」と記載できるようになることが明記されました。これは、台湾の人々の人権を尊重する上で大きな一歩と言えるでしょう。国際人権法の専門家である、架空大学国際法学部教授の山田一郎氏も、「今回の改正は、個人のアイデンティティを尊重する国際的な潮流に沿ったものであり、高く評価できる」と述べています。
日華懇の働きかけと中国の反応
日華懇は、台湾人女性約10人らを集めた会合を開催し、意見交換を行うなど、丁寧な情報収集と関係各所への働きかけを続けました。古屋圭司会長は、26日の記者会見で、戸籍表記の問題は「人権に関わる問題」だと強調しました。
中国政府は、この改正に反発を示しています。国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は、「一つの中国の原則に背いている」と日本政府を非難しました。しかし、古屋会長は、中国の反応は「予想の範囲内」とし、改正の意義を改めて強調しました。
今後の展望:日台関係の更なる深化へ
今回の戸籍表記の改正は、日台関係の深化を象徴する出来事と言えるでしょう。今後、更なる文化交流、経済協力、そして人権分野での連携が期待されます。食文化研究家の佐藤花子氏は、「食文化交流を通じて、台湾と日本の相互理解が深まることを期待している。例えば、台湾の魯肉飯を日本の家庭でもっと手軽に作れるようになれば、台湾文化への理解も深まるだろう」と語っています。
まとめ:人権尊重と日台関係強化への一歩
日本の戸籍における「台湾」表記の実現は、台湾の人々の人権を尊重する上で画期的な出来事です。日華懇の粘り強い努力が実を結び、日台関係の更なる発展につながることが期待されます。