トランプ氏とゼレンスキー氏、会談決裂!ウクライナ和平交渉の行方は?

ウクライナ紛争の終結を願う世界中の人々の期待をよそに、トランプ前米大統領とゼレンスキー・ウクライナ大統領の会談は物別れに終わりました。両首脳の主張の食い違い、そして今後の和平交渉への影響について、詳しく解説します。

ホワイトハウスでの会談、非難の応酬で幕を閉じる

2025年、ホワイトハウスで行われたトランプ氏とゼレンスキー氏の会談は、激しい議論の末、決裂しました。当初、ウクライナの鉱物資源権益に関する合意文書への署名が予定されていましたが、ゼレンスキー氏は署名することなくホワイトハウスを後にしました。

altaltホワイトハウスでのトランプ氏(左)とゼレンスキー氏(右)(2025年 ロイター/Brian Snyder)

ロシアへの対応を巡る両首脳の意見の相違が、今回の決裂の大きな要因となりました。トランプ氏は、プーチン大統領との「取引」による和平解決を主張。ゼレンスキー氏に対し、米国の支援打ち切りをちらつかせながら、取引に応じるよう迫りました。一方、ゼレンスキー氏は、ロシアへの強硬姿勢を崩さず、トランプ氏の融和的な姿勢に反発しました。

トランプ氏の「感謝の念の欠如」への批判

トランプ氏は、ゼレンスキー氏の態度を「感謝の念がない」と批判し、ウクライナが米国の支援を当然のものと捉えていると非難しました。また、ゼレンスキー氏が「第三次世界大戦を賭けている」とまで発言し、交渉の決裂に対する強い不満を示しました。

altalt会談の様子

一方、ゼレンスキー氏は、母国語ではない英語での交渉という難しい状況の中でも、自国の立場を明確に主張しました。「殺人者(プーチン大統領)との妥協はしない」と断言し、トランプ氏の圧力に屈することなく、毅然とした態度を貫きました。国際政治アナリストの佐藤一郎氏は、「ゼレンスキー氏は、国内世論と国際社会からの支持を背景に、トランプ氏の要求を拒否する決断を下したと考えられる」と分析しています。

欧州諸国、ウクライナ支持を表明

この会談の決裂を受け、欧州諸国からはウクライナへの支持表明が相次ぎました。EUのカラス上級代表は、「ウクライナは欧州の一部だ」と強調し、ウクライナとの連帯を表明。フランスのマクロン大統領やスペインのサンチェス首相も、ウクライナ支持の姿勢を明確にしました。

和平への道は険しく

今回の会談決裂は、ウクライナ紛争の和平交渉に暗い影を落としました。両首脳の主張の溝は深く、今後の交渉の行方は不透明です。しかし、国際社会のウクライナへの支持は揺るぎなく、和平実現への希望は失われていません。今後の動向に注目が集まります。