政府・与党は、高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の負担上限額を引き上げる見直し案について一時「凍結」する最終調整に入った。複数の政府・与野党関係者が27日、明らかにした。凍結はがん患者の団体らが求めていたほか、立憲民主党が2025年度予算案の修正案に盛り込んでいた。
政府は、今年8月から27年8月にかけて3段階で、年収や年齢ごとに上限額が異なる負担額を引き上げる方針を示していた。立憲は14日に示した予算修正案で、8月からの引き上げの凍結を求め、凍結にかかる費用を200億円としていた。
自民、公明、立憲の3党は27日、国会内で会談するなどした。与党側は、8月からの引き上げを延期する案を提示。凍結期間に制度のあり方を検討していく新たな協議体を立ち上げ、与党や患者団体に加え、立憲にも参加するよう求めた。立憲側が受け入れれば、28日に予定されている衆院予算委員会の集中審議で、質問に立つ立憲の野田佳彦代表に対し、石破茂首相が答弁で延期を検討する考えを示す案も浮上している。【野間口陽、高橋祐貴、池田直、阿部絢美】