【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を会談で批判したことについて、米閣僚らはトランプ氏の対応を称賛した。一方、民主党議員らは「恥ずべき行為だ」などと非難した。
ルビオ国務長官はX(旧ツイッター)で、「米国第一主義を掲げてくれてありがとう」とトランプ氏をたたえた。ベッセント財務長官やダフィー運輸長官ら閣僚も一様に、「(トランプ氏は)米国のために立ち上がった」と投稿した。
会談の決裂で鉱物資源の権益を巡る米国とウクライナの合意が見送られたが、共和党のリンゼー・グラハム上院議員は記者団に、ゼレンスキー氏について「米国民が(合意に)納得することをほぼ不可能にした」と不快感を示し、ゼレンスキー氏の辞任を求めた。
ただ、共和党内にもウクライナ側を擁護する声は根強く、同党のブライアン・フィッツパトリック下院議員は声明で、「胸が張り裂ける。感情を脇に置き、交渉のテーブルに戻るべきだ」と述べ、双方に冷静な対応を呼びかけた。
ロシアの侵略に徹底抗戦を訴えてきたゼレンスキー氏を罵倒したトランプ氏に対し、民主党のナンシー・ペロシ元下院議長はXで、「プーチン露大統領が大喜びしているに違いない」と指摘。第1次トランプ政権で大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏はXで、「トランプ氏はロシア側に立つことを宣言した。米国の安全保障にとって壊滅的な誤りだ」と批判した。