【ワシントン=黒瀬悦成】来年11月に実施される米大統領選の民主党候補指名争いに大富豪のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長が出馬を真剣に検討していることが分かった。ブルームバーグ氏の広報担当者が7日、ツイッターで明らかにした。
民主党の指名争いでは、本命視された中道穏健派のバイデン前副大統領(76)の支持率が下降線をたどる一方、左派のエリザベス・ウォーレン上院議員(70)の躍進が目立つ。このため、ウォーレン氏が訴える「富裕層への増税」などの公約を嫌う民主党の有力支援者などから、バイデン氏に代わる穏健派候補が土壇場で参入するのを望む声が強まっていた。
ブルームバーグ氏の広報担当者は、同氏が「今の(民主党)候補者の面々ではトランプ大統領を打倒にできる状況にないとの懸念を深めている」と指摘した上で、「出馬すれば民主党支持者に新たな選択肢を提供できる。トランプ氏に戦いを仕掛け、勝つことができる」と強調した。
米メディアによると、ブルームバーグ氏は近く南部アラバマ州での予備選に立候補を届け出る。同州は来年2月3日から全米各州で順次行われる指名争いの予備選や党員集会のうち、立候補届け出の締め切りが今月8日に迫っている。
ブルームバーグ氏はかつて共和党員だったが、無党派を経て昨年6月に民主党に転向。経済誌フォーブスによると「米国で8位の金持ち」で、総資産は534億ドル(5兆8372億円)。