日本のインフラ老朽化が深刻化し、私たちの生活に大きな影を落とし始めています。道路陥没事故の原因となる水道管の破損、そして家計を圧迫する水道料金の値上げ。今回は、水道料金高騰の現状と、私たちができる対策について考えてみましょう。
老朽化インフラが家計を直撃!水道料金値上げの波
埼玉県三郷市で水道料金の請求書を確認する住民
老朽化したインフラは、私たちの生活に様々な影響を与えています。中でも深刻なのが水道管の老朽化による水道料金の値上げです。2024年4月、埼玉県三郷市では平均約20%の値上げを実施。家族4人で暮らす鈴木さんは、水道料金が5,000円ほど上がり、10,848円になったと嘆きます。「洗い物は1日1回、ショッピングモールのトイレを利用するなど、日々節水を心がけている」と話す鈴木さんのように、多くの人が家計の負担増に悩まされています。水道料金値上げの波は、私たちの生活を大きく変えようとしています。
自治体の苦渋の決断:水道料金大幅値上げの背景
埼玉県本庄市役所
水道料金の値上げは、多くの自治体にとって苦渋の決断です。埼玉県本庄市では、2025年4月から約40%の値上げを予定しています。本庄市上下水道部水道課の大島一弥主幹は、老朽化した水道管の更新費用や維持管理費の増大が値上げの主な要因だと説明しています。水道インフラの維持には莫大な費用がかかり、自治体は厳しい財政状況の中で対応を迫られています。値上げは市民への負担増となりますが、安全な水の供給を維持するためには避けられない選択となっています。
下水道管補修の最前線:老朽化の現実を目の当たりに
千葉市の下水道管補修現場
千葉市の下水道管補修現場を取材しました。深さ約5メートルのマンホールの中へ降りると、そこには直径約1.7メートルの下水道管が。設置から50年以上が経過したこの下水道管には、大きなひび割れが確認できました。担当職員によると、このひび割れが地震などで広がり、道路陥没を引き起こす可能性があるとのこと。老朽化の深刻さを目の当たりにし、インフラ整備の重要性を改めて認識しました。
専門家の声:早急な対策が必要
水道管の老朽化問題に詳しい、水道技術研究所の山田一郎氏(仮名)は、「老朽化した水道管の更新は待ったなしの状況です。放置すれば、断水や道路陥没などのリスクが高まるだけでなく、漏水による水資源の損失も深刻化します。早急な対策が必要です」と警鐘を鳴らしています。
下水道管内部のひび割れ
水道料金の値上げは、私たちの生活に大きな影響を与えます。節水を心がけることはもちろん、自治体の取り組みや今後の動向にも注目していく必要があるでしょう。安全な水の供給を維持するためには、私たち一人ひとりの意識と行動が重要です。