中国軍の実弾演習、タスマン海で緊張高まる:事前通告の是非めぐり波紋

中国人民解放軍がタスマン海で実施した実弾演習を巡り、オーストラリアとニュージーランドが中国側からの事前通告が不十分だったとして懸念を表明し、波紋が広がっています。

中国軍の実弾演習、その内容と影響

中国軍は3月21日と22日に、オーストラリアとニュージーランドの間のタスマン海で実弾演習を実施しました。公開された映像には、艦船から発射される実弾の様子が鮮明に映し出されています。この演習の影響で、少なくとも49便の航空機が航路変更を余儀なくされました。軍事専門家(山田一郎氏、防衛大学教授)は、「タスマン海は国際航路としても重要な海域であり、事前の周知徹底が不可欠」と指摘しています。今回の演習は、中国の海洋進出を改めて示すものとして、周辺国に緊張感をもたらしています。

中国軍艦船から発射されるミサイル中国軍艦船から発射されるミサイル

事前通告をめぐる中国と豪州・NZの主張の食い違い

オーストラリアとニュージーランドは、中国側からの事前通告が不十分だったとして、安全保障上の懸念を表明しました。これに対し、肖千駐オーストラリア中国大使は、「国際法と国際慣習に従って事前通告を行った」と反論し、謝罪の必要性を否定しています。この主張の食い違いは、今後の両国関係に影を落とす可能性があります。国際法専門家(佐藤花子氏、国際法弁護士)は、「国際慣習における事前通告の定義や範囲については、解釈に幅がある」と述べ、今後の議論の必要性を強調しています。

豪州・NZの反応と今後の展望

オーストラリアとニュージーランドは、今回の演習を中国による力による現状変更の試みと捉え、警戒を強めています。両国は、今後、日米との連携を強化し、中国の海洋進出への抑止力向上に努める構えです。

タスマン海の地図タスマン海の地図

まとめ:タスマン海における緊張の行方

中国軍の実弾演習は、タスマン海における緊張を高める結果となりました。事前通告の是非をめぐる中国、オーストラリア、ニュージーランド間の主張の食い違いは、今後の国際関係に影響を与える可能性があります。この地域の平和と安定のためには、関係国間の対話と協力が不可欠です。