【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省は7日、エスパー国防長官が13日から韓国とタイ、フィリピンとベトナムの4カ国を歴訪すると発表した。韓国のソウルでは鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相らと会談し、文在寅政権が8月に破棄を決めた日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を維持していくよう要請する。
GSOMIAは韓国時間の23日午前零時(日本時間同)に有効期限切れとなる。トランプ米政権と日本政府は韓国に対し、破棄を撤回するよう強く働きかけてきた。
国防総省のホフマン報道官は7日の記者会見でGSOMIAの問題に関し「北朝鮮の行動や、中国による地域の不安定化を図る取り組みといった、地域にとって最大の脅威への対処に(日米韓が)集中するためにも解決されなくてはならない」と述べ、協定の存続を韓国に働きかけていくと強調した
エスパー氏の訪韓は8月に続き2回目。
エスパー氏は続く訪問地のタイで東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議に出席し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認する。現地では日米韓3カ国による国防相会談の実施も調整されている。