野党「議事録改竄」も追及材料に 菅氏は「相手方に確認」





会見に臨む菅義偉官房長官=8日、首相官邸(春名中撮影)

 野党は8日、政府が9月に開いた全世代型社会保障検討会議の初会合で、有識者メンバーである中西宏明経団連会長の発言の一部が議事録に掲載されていなかったとの報道を受け、議事録の「改竄(かいざん)」として政府への追及姿勢を強めた。

 野党側は、中西氏が会合で、働いて一定以上の収入がある人の年金を減らす在職老齢年金制度に関し、見直しを目指す政府方針に反対ととれる発言をしたと指摘する。ただ10月4日に公開された議事録には「財源の問題もあるので慎重に検討した方がいい」と記載されるにとどまった。

 これに関し、立憲民主党の長妻昭代表代行は8日の党会合で「議事録は中西氏の核心の発言がすっぽり抜けている。徹底して調査する必要がある」と指摘。山井和則衆院議員も「議事録を残すと、社会保障改革の目玉の在職老齢年金見直しができなくなる。都合が悪いので改竄したという深刻な問題だ」と批判した。

 一方、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は8日の記者会見で「議事録は事務局から委員の窓口に送付し、確認をいただいている」と述べ、経団連側の了承を得て作成しており、問題はないとの認識を示した。

 中西氏本人も同日、首相官邸での会合に出席後、記者団に、議事録は経団連として了承済みだとの認識を示した。野党が、官邸側から削除するよう圧力があったと指摘していることにも「私に圧力をかけるような人はいない」と否定した。

(千葉倫之)



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