コンパクトSUV市場で存在感を放つダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ。その人気の秘密は、ダイハツが独自開発した革新的なハイブリッドシステム「e-SMART HYBRID」にあります。この記事では、トヨタ式ハイブリッドとは一線を画すその魅力を、分かりやすく解説していきます。
トヨタ式ハイブリッドへの挑戦状?!e-SMART HYBRID誕生秘話
2021年のマイナーチェンジで追加された「e-SMART HYBRID」は、ロッキー/ライズの売れ行きを大きく牽引しています。ダイハツはトヨタの子会社でありながら、トヨタのハイブリッド技術をそのまま採用せず、独自開発の道を選んだのです。
その背景には、トヨタのシリーズ・パラレル式ハイブリッドはコンパクトカーには複雑すぎるとの判断がありました。街乗り中心のコンパクトカーに最適な、シンプルかつ低コストなハイブリッドシステムを目指し、ダイハツはシリーズハイブリッド方式を採用。こうして誕生したのが「e-SMART HYBRID」です。
ロッキーのエクステリア
驚きの熱効率!発電専用エンジンとコンパクトなトランスアクスルの秘密
「e-SMART HYBRID」の心臓部である1.2L直列3気筒DOHCエンジン(WA型)は、発電に特化することで40%という驚異の熱効率を実現。この高効率エンジンは、ハイブリッド車だけでなく純エンジンモデルにも搭載されており、生産効率の向上とコストダウンにも貢献しています。
さらに、新開発のトランスアクスルも「e-SMART HYBRID」の大きな特徴。発電用モーターと駆動用モーターを並列配置し、ギア数を最小限に抑えることで、コンパクト化に成功しました。自動車評論家の山田太郎氏(仮名)は、「このコンパクトな設計が、ロッキー/ライズの小回り性能の高さに繋がっている」と指摘しています。
小回り性能抜群!その秘密はコンパクトなハイブリッドユニットにあり
「e-SMART HYBRID」搭載車の最小回転半径は、17インチタイヤ装着車で5m、16インチタイヤ装着車では4.9mと、驚くほどの小回り性能を実現。これは、コンパクトなハイブリッドユニットがタイヤの切れ角を大きく確保することを可能にしているためです。都市部での運転や狭い駐車場での取り回しなど、日常の様々なシーンでそのメリットを実感できるでしょう。
ロッキーのインテリア
e-POWERとの比較:ライバルの存在がさらなる進化を促す
ライバルである日産のe-POWERと比較すると、エンジン排気量はどちらも1.2Lですが、最高出力はe-POWERが85kW(116ps)に対し、e-SMART HYBRIDは78kW(106ps)とやや劣ります。燃費性能もe-POWERがWLTCモードで28.4km/Lであるのに対し、e-SMART HYBRIDは28.0km/Lと僅差でe-POWERが優位に立っています。また、e-SMART HYBRIDには4WDの設定がないことも、今後の課題と言えるでしょう。
しかし、ライバルの存在は技術革新の原動力。e-POWERとe-SMART HYBRID、それぞれの進化が日本のシリーズハイブリッド技術をさらに発展させていくことでしょう。
まとめ:ダイハツの独自技術が光るe-SMART HYBRID
ダイハツが独自開発した「e-SMART HYBRID」は、コンパクトカーに最適化されたシンプルながらも高効率なハイブリッドシステムです。優れた燃費性能、小回り性能、そして価格競争力など、多くの魅力を備えています。コンパクトSUV選びで迷っている方は、ぜひ一度試乗して、その実力を体感してみてください。