ウクライナの都市を守る盾、パトリオットミサイル。その供給停止の可能性がウクライナ国民に不安の影を落としています。ロシアの弾道ミサイル攻撃から都市を守る最後の砦であるパトリオットの弾薬が底をつくかもしれないという懸念が現実味を帯びているのです。
パトリオット、ウクライナ防空の最後の砦
ロシアの弾道ミサイルの脅威に対抗できるのは、米国製の地対空ミサイルシステム「パトリオット」だけ。ウクライナ軍にとって、パトリオットはまさに防空の要となっています。しかし、米国の軍事支援停止により、その供給が途絶える可能性が出てきました。
ウクライナに配備されたパトリオットミサイルシステム
米戦争研究所のロシア専門家、カテリーナ・ステパネンコ氏も「パトリオットのライセンスやミサイル製造は米国が独占しており、他国での再現は困難」と指摘しています。代替手段がない今、パトリオットの供給停止はウクライナにとって致命的な打撃となる可能性があります。
弾道ミサイルの脅威とパトリオットの重要性
ロシアはウクライナに対し、都市部やインフラ施設への攻撃を繰り返しています。その攻撃手段の一つである弾道ミサイルは、高速で軌道を描きながら落下するため、迎撃が非常に難しい兵器です。パトリオットはこの弾道ミサイルを迎撃できる数少ないシステムであり、ウクライナの都市を守る上で不可欠な存在となっています。
巡航ミサイルもまた脅威ですが、こちらはウクライナ国内や他国から提供された装備で対処可能とのこと。しかし、弾道ミサイルへの対抗手段はパトリオット以外にないため、その重要性は計り知れません。
パトリオット不足が兵士の家族にも不安を広げる
前線の兵士たちも、パトリオット不足の影響を懸念しています。ドローン攻撃小隊のイエゴール・フィルソフ氏は、「パトリオットこそが我々の弱点だ。前線で任務に就いている間も、家族や故郷の安全が守られているか心配だ」と語っています。最前線で戦う兵士たちにとっても、パトリオットの存在は大きな安心材料となっているのです。
供給停止の危機、ウクライナの未来は?
ウクライナ政府は、パトリオットのミサイル在庫が数週間で枯渇する可能性があると発表しました。供給が途絶えれば、ロシアの弾道ミサイル攻撃に対する防御力は著しく低下し、都市部への被害拡大は避けられないでしょう。
ウクライナ首相は、「ロシアの弾道ミサイルに対処できるのはパトリオットのみ。修理、整備、弾薬、あらゆる面でパトリオットの供給がリスクにさらされている」と危機感を募らせています。
パトリオットの供給停止は、ウクライナの安全保障にとって重大な脅威です。国際社会の支援が不可欠な今、ウクライナの未来はどうなるのでしょうか。