日本の食卓を支える米。しかし、その陰で米農家は厳しい状況に立たされています。米価高騰が続く中、生活は楽になるどころか苦境が続く現状に、農家有志が立ち上がり「令和の百姓一揆」を計画しています。3月30日、全国からトラクターが集結し、東京でデモ行進を行う予定です。今回は、一揆実行委員会メンバーである静岡県浜松市の「藤松自然農園」代表、藤松泰通さんに、一揆に懸ける思いを伺いました。
東日本大震災を機に農業へ
藤松さんは、無肥料・無農薬・不耕起・草生の自然農法で、固定種・在来種の野菜やお米を育てています。東京で建築業や営業職などを経験した後、東日本大震災を機に農業の道へ進みました。
震災復興に携わる中で、自身の健康状態をきっかけに食の重要性を見直し、浜松市で農業を始めることを決意。研修を経て野菜作りからスタートし、その後米作りにも着手しました。
alt 浜松の田んぼで稲作をする藤松さん
耕作放棄地の増加と様々な弊害
高齢化や後継者不足による離農が進み、耕作放棄地が増加している現状を目の当たりにした藤松さん。放棄地を借り受け、農地を広げながら米作りに励んでいます。しかし、そこには様々な問題が潜んでいました。
例えば、川近くの放棄地では、特定外来生物のヌートリアが繁殖し、稲を食い荒らす被害が発生。駆除業者に依頼しても、繁殖のスピードに追いつかず、頭を悩ませているそうです。また、草木が生い茂った耕作放棄地は、不法投棄の温床にもなっているとのこと。
alt 耕作放棄地で繁殖するヌートリア
米価高騰でも苦しい生活…一揆への思い
「米価は上がっているのに、農家の生活は一向に楽になりません。肥料や燃料の高騰、重労働、そして耕作放棄地の問題…様々な課題を抱えています。」と藤松さんは語ります。
「このままでは日本の農業の未来は暗い。私たちの切実な声を聞いてほしい。」
そんな思いから、「令和の百姓一揆」を計画。全国の農家と共に、東京でデモ行進を行い、農業の現状を訴える予定です。「食」と「農」の未来を守るため、藤松さんをはじめとする農家たちの挑戦は続きます。
食料安全保障の専門家、山田教授のコメント
食料安全保障の専門家である山田太郎教授(仮名)は、「今回の百姓一揆は、日本の農業が抱える構造的な問題を浮き彫りにしている。生産コストの高騰や流通の問題、そして耕作放棄地の増加など、早急な対策が必要だ。」と指摘しています。
日本の農業の未来のために
藤松さんのような情熱あふれる農家たちが、日本の食卓を支えています。今回の「令和の百姓一揆」が、日本の農業の未来を考えるきっかけとなることを願います。