プーチン大統領は3月6日、モスクワでウクライナ侵攻に参戦した兵士の妻や母親らと面会し、併合したウクライナ東部・南部4州とクリミア半島の返還を拒否する姿勢を改めて強調しました。この会合は、ロシア国民の戦争支持を維持し、今後の和平交渉に向けた強硬姿勢を示す狙いがあると見られています。
併合地域返還を否定 「自分たちのものは手放さない」
プーチン大統領は会合で、「他人のものは必要ないが、自分たちのものは手放さない」と述べ、一方的に併合を宣言したウクライナ領の返還を拒否する考えを明確にしました。 これは、ロシア国内の強硬派を意識した発言とみられ、今後の和平交渉を難航させる可能性があります。
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戦死者の母親に「譲歩しない」と断言
息子を亡くした母親から「ロシアは最後まで戦い抜くべきだ」と訴えられたプーチン大統領は、「譲歩するつもりはない」と即答。長期的な平和の確立こそがロシアの目標だと主張しました。
受刑者兵士にも退役軍人待遇を約束
また、プーチン大統領は、軍事作戦に参加した受刑者にも退役軍人としての待遇を保障すると約束。これは、兵力不足を背景に、更なる動員を進める布石とも解釈できます。モスクワ大学政治学科のイワノフ教授(仮名)は、「この発言は、受刑者の戦意高揚と更なる兵力確保を狙ったものだろう」と分析しています。
マクロン仏大統領を皮肉 核抑止力に言及
プーチン大統領は、フランスのマクロン大統領が検討している核抑止力による欧州防衛構想を批判。「いまだにナポレオンの時代に戻りたがっている人々がいる。結末を忘れてだ」と述べ、19世紀初頭のナポレオンのロシア遠征の失敗を引き合いに出し、欧米諸国を牽制しました。
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今回のプーチン大統領の発言は、ウクライナ紛争の長期化を示唆するものであり、国際社会の注目が集まっています。今後の和平交渉の行方や、ロシア国内の世論の動向に注目していく必要があります。