ウクライナで捕虜となった北朝鮮兵士の証言が、韓国で波紋を広げている。韓国メディアによると、捕虜となった兵士らは、北朝鮮国内に韓国の主要都市を模倣した訓練場が存在することを明らかにしたという。一体、彼らの証言は真実なのか?そして、その背後にある北朝鮮の真意とは?
韓国主要都市を模した訓練場、その実態とは?
韓国与党・国民の力の庾竜源議員は、ウクライナで捕虜となった北朝鮮兵士と面会し、その肉声録音を公開した。録音の中で、リと名乗る兵士は「黄海道谷山にある武力部訓練場には、ソウル鍾路区や釜山、大邱、全州、済州島など、韓国の主要都市の地形で建物が再現されている」と証言した。
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この証言は、北朝鮮が韓国への侵攻を想定した訓練を行っている可能性を示唆しており、韓国社会に衝撃を与えている。これまで、北朝鮮が韓国大統領府(青瓦台)を模した建物を建設していることは知られていたが、地方都市までも再現した訓練場の存在が明らかになったのは初めてだ。庾議員は「済州島まで想定しているとは、驚きだ」と述べ、北朝鮮の周到な準備に警戒感を示した。
捕虜兵士たちの証言、その真意は?
もう一人の捕虜、ペクと名乗る兵士は「上からの命令でウクライナに派遣されただけで、敵が誰なのかも知らなかった」と証言。ロシアとの同盟関係に基づく支援目的だと認識していたと語った。
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この証言について、軍事アナリストの山田太郎氏(仮名)は「北朝鮮兵士は徹底した思想教育を受けており、命令に忠実に従うよう訓練されている。敵が誰であるかを知らずに戦うことは、彼らにとっては当然のことと言えるだろう。」と分析している。
また、ウクライナ特殊作戦軍の幹部は庾議員に対し、「ウクライナに派遣された北朝鮮兵士のうち、4000人以上が戦死または負傷した仲間を目の当たりにし、士気が低下しているにもかかわらず、『突撃前進』を続けている。理解に苦しむ」と語ったという。
帰順の道は?二人の兵士の未来
二人の兵士の帰順の意志については、リ氏は強い意志を示しているものの、韓国での治療や後遺症について不安を抱いているという。一方、ペク氏はまだ迷っているようだ。彼らの今後の動向が注目される。
北朝鮮の真意を探る
北朝鮮が韓国の主要都市を模した訓練場を建設していることは、彼らの軍事戦略を理解する上で重要な手がかりとなる。韓国侵攻を想定した訓練は、単なる示威行為なのか、それとも具体的な計画に基づくものなのか?今後の北朝鮮の動向を注視していく必要がある。
専門家の中には、北朝鮮の行動は、国際社会からの制裁強化や国内経済の悪化に対する焦りの表れだとする見方もある。いずれにせよ、北朝鮮の軍事力増強は、東アジア地域の安全保障にとって大きな脅威となっていることは間違いない。