ウクライナ侵攻から3年。遠い宮崎の地で避難生活を送るウクライナ人家族は、故郷に残る人々や子供たちの未来を案じ、平和への願いを募らせています。本記事では、宮崎市で暮らすスリパチュク・ラダさん一家を中心に、彼らの胸の内と厳しい現実、そして停戦への期待と不安についてお伝えします。
戦禍を逃れて宮崎へ:ラダさんの避難生活
2022年8月、ラダさん(29歳)は戦火を逃れ、宮崎市で20年来暮らす親戚のヴィクトリア・シヴィデンコさんを頼り、日本へ避難してきました。3年が経とうとする今も、故郷に残る家族や友人の安否を案じ、心の傷は癒えることなく、「心の痛みはずっと続いている」と語ります。
宮崎で避難生活を送るスリパチュク・ラダさん
一時帰国で目の当たりにした現実:犠牲になる子供たち
2023年8月、ラダさんは一時帰国し、故郷の人々に物資を届けました。そこで目にしたのは、戦争で親を失い、孤児院に身を寄せる子供たちの姿でした。ユニセフの報告によると、ウクライナでは多くの子供たちが犠牲になり、5人に1人が近親者や友人を失っているといいます。ラダさんは、「幼稚園や保育園にもミサイルが撃たれる。子供たちが犠牲になる現状を止めたい」と、悲痛な思いを吐露しました。かつて暮らしていた自宅近くの幼稚園もミサイル攻撃を受け、破壊されたといいます。
停戦交渉への期待と不安:揺れる避難民の心
ラダさんの親戚であるヴィクトル・シヴィデンコさん(74歳)も、宮崎での避難生活が3年目に入ろうとしています。アメリカのトランプ大統領によるロシアとの停戦交渉の動きについて、ヴィクトルさんは複雑な心境を明かしました。「各国の大統領がすべてを決めることに納得はできないが、仕方ない」と語りつつも、「ゼレンスキー大統領だけでは戦争を終わらせることはできない。どんな形であれ、戦争を終わらせてほしい」と、停戦への期待をにじませました。
ヴィクトリアさんも、「ウクライナの自由と独立は重要だが、戦争を終わらせるには各国の協力が必要。一日も早く戦争が終わってほしい」と訴えます。
ウクライナから宮崎に避難しているヴィクトル・シヴィデンコさん
平和への願い:ウクライナ侵攻の終結を願って
長引くウクライナ侵攻。宮崎で避難生活を送るラダさん一家は、故郷に残る人々や子供たちの未来を案じ、一日も早い平和の実現を願っています。国際社会の協力と、停戦に向けた努力が求められています。テレビ宮崎の報道をもとに、ウクライナ避難民の現状と平和への願いをお伝えしました。