ソウル中心街のオフィス街に、日本人女性が経営する小さな「おにぎり」専門店がオープンし、大人気となっています。韓国では日本食ブームが続いていますが、これまでのコンビニで販売されている三角形の「キムパプ(韓国風海苔巻き)」とは一線を画し、「おにぎり」という日本語名で親しまれ、注目を集めています。
ソウル中心街に現れた小さな「おにぎり」屋さん
ソウル中心街にあるおにぎり屋さん
光化門と西大門の間にあるビジネス街の雑居ビル1階に、わずか20平方メートルほどの小さなお店がオープンしました。営業時間は朝の7時から午後2時まで、テイクアウトのみの販売です。
このお店のオーナーは、在韓20年の松本ひとみさん。大阪出身の元OLで、これまでに韓国で居酒屋「とんあり」を成功させるなど、女手一つでビジネスを展開してきた敏腕経営者です。
30種類以上のおにぎりでOLの心を掴む!
オープン当初は不安もあったそうですが、連日300個以上を売り上げるほどの大盛況。「韓国で日本食がこんなにも受け入れられていることに改めて驚きました」と松本さんは笑顔で語ります。
お客さんの多くは、朝の出勤途中やランチタイムに立ち寄る若いOLたち。約30種類という豊富なメニューと、1個3000ウォン(約300円)前後という手頃な価格が人気の秘訣です。
韓国の有名料理研究家、パク・ソジュン氏も「多様な具材と日本らしい繊細な味付けが、韓国の若い世代に新鮮に映っているのでしょう」と分析しています。
日本のおふくろの味「梅干し、昆布、かつおぶし」が人気!
松本さんは以前、居酒屋「とんあり」ですき焼きを提供し、ソウルですき焼きブームを巻き起こしました。今回のおにぎり屋さんでも、約30種類のメニューの中でも、梅干し、昆布、かつおぶしといった純日本風の定番おにぎりに特に力を入れています。「これが意外にも好評で、手応えを感じています」と松本さんは自信をのぞかせます。
韓国の食文化評論家、キム・ヨンチョル氏は「日本の家庭料理の定番である『おにぎり』が、韓国で新たな食文化として根付く可能性を秘めている」と期待を寄せています。
日本の味がソウルで新たな旋風を巻き起こすか?
日本人女性経営の小さな「おにぎり」屋さんが、韓国の食文化に新たな風を吹き込んでいます。今後の展開に注目が集まります。