韓国、ポスコE&C労災再発で大統領が強力指示:免許取消し・公共入札禁止検討へ

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、建設大手ポスコE&Cで労働災害死亡事故が相次ぐ事態を受け、同社への建設免許取消しや公共入札禁止など、あらゆる法的制裁措置の検討を指示しました。加えて、産業災害の再発防止に向けた懲罰的損害賠償制度の導入も視野に入れるよう求められており、これは繰り返される労災と企業側の対応への強い危機感の表れです。

韓国の李在明大統領が竜山大統領室で発言、ポスコE&C労災問題に言及か韓国の李在明大統領が竜山大統領室で発言、ポスコE&C労災問題に言及か

相次ぐ死亡事故の発生

李大統領の強力指示は、ポスコE&Cにおける産業災害の頻発が背景にあります。今年1月と4月には計3件の墜落・崩壊事故で3人が死亡。さらに7月28日には60代労働者が穿孔機に巻き込まれ死亡する事故が発生しました。大統領は翌29日の国務会議でこの事態を厳しく指摘し、「死を容認している」「未必の故意による殺人ではないか」とまで述べ、企業責任を追及していました。

最新の事故と大統領の新たな指示

しかし、発言からわずか1週間後の8月4日、ポスコE&C工事現場で再び事故が発生。ミャンマー人労働者が感電が疑われる事故で心停止となりました。この再発を受け、大統領は建設免許取消しや公共入札禁止といった措置の検討を即座に指示。これらの制裁手段は、7月29日の国務会議で雇用労働部長官が労災防止策として報告していた内容と合致します。

指示の背景:不十分な企業対応と構造的改善の意志

大統領室関係者は、今回の指示がポスコE&Cの不十分な事故対応への叱責だと説明。4日の事故翌日に同社社長が辞意を表明したものの、大統領は「社長辞任のようなその場しのぎの対応では産災は防げない」と判断した模様です。関係者は「産業災害を防ぐための構造的対策を整備しようという大統領の意志」と強調。李大統領は以前から、責任主体と処罰主体との乖離を指摘し、重大災害処罰法の改善にも言及していました。

結論

ポスコE&Cの繰り返される労働災害に対し、李在明大統領が下した建設免許取消しや公共入札禁止などの強力な指示は、単なる企業の責任追及を超え、産業安全に対する韓国社会の構造的改革への強い意志を示します。企業には真に安全を優先する経営体制が求められ、今回の措置は今後の労働安全確保の新たな基準となるでしょう。

参照元: Yahoo!ニュース