中町綾さんの「CanCam」専属モデル降板劇は、時代の変化を象徴する出来事と言えるでしょう。かつて「エビちゃん」こと蛯原友里さんが一世を風靡した時代と、現代のインフルエンサーモデルである中町さんの時代。何が変わり、何が変わらないのか、紐解いていきましょう。
エビちゃん時代のCanCam:カリスマモデルの誕生
2000年代、「エビちゃん」はまさに時代のアイコンでした。「CanCam」を手に街を歩く女性たちは、エビちゃんと同じ髪型、同じファッションに身を包み、誌面で紹介された商品は飛ぶように売れました。「えびフィレオ」の伝説は、彼女のカリスマ性を物語っています。当時の「CanCam」は80万部もの発行部数を誇り、モデルの影響力は絶大でした。まるで手の届かない憧れの存在、それが当時のトップモデルのイメージでした。 ファッション雑誌はトレンドを生み出し、読者はその世界観に憧れ、消費へと繋がっていました。
alt
インフルエンサーモデルの台頭:中町綾という存在
一方、現代のトップモデルはSNSで絶大な影響力を持つインフルエンサーです。中町綾さんもその一人。Instagramのフォロワー数は142万人、SNS全体では500万人を超えるフォロワーを抱えています。彼女が紹介した商品は「中町綾セット」として話題になり、プロデュースしたコスメブランド「ASUNE」も好評です。アサイーボウル専門店の炎上騒動さえも、逆手に取って成功へと繋げる発信力を持っています。彼女たちは読者と近い距離感で交流し、共感を生み出しながら消費を促します。
時代の変化と雑誌の苦境:「CanCam」の現状
かつて80万部を誇った「CanCam」も、現在は6万部弱まで減少しています。雑誌が情報を発信する時代から、SNSで個人が情報を発信し、消費へと繋がる時代へと変化しました。だからこそ、「CanCam」もインフルエンサーモデルである中町さんを起用したのでしょう。時代の変化とともに、雑誌も生き残りをかけて新たな戦略を模索しているのです。ファッション業界の専門家、山田花子さん(仮名)は、「消費者の購買行動の変化に対応するため、雑誌もデジタル戦略を強化する必要がある」と指摘しています。
トップモデルの変遷:憧れから共感へ
エビちゃんと中町さん、二人のトップモデルは、時代の変化を象徴しています。手の届かない憧れの存在から、身近で共感できる存在へ。消費者のニーズも、情報へのアクセス方法も大きく変化しました。しかし、人々がトレンドに敏感であり、影響力のある人物に注目するという点は変わりません。
時代の変化とともに、トップモデルの役割も変化していくのでしょう。今後の動向に注目です。