国内最速の防災情報アプリ「特務機関NERV防災」:エヴァから生まれた命を守る技術

エヴァンゲリオンの人気組織名を冠した「特務機関NERV防災」アプリ。その誕生秘話と、開発者である石森大貴氏の情熱に迫ります。気象庁も認める防災インフラへと成長したNERVは、いかにして国内最速の情報を提供するに至ったのか?その道のりは、東日本大震災の経験から生まれた強い使命感に支えられていました。

エヴァへの情熱から生まれた防災への想い

14歳でエヴァに出会い、その世界観に魅了された石森大貴氏。大学時代に起業した会社の社名も、エヴァに登場する組織名「ゲヒルン」に由来します。当初はウェブサイト制作などを手がける小さな会社でしたが、転機となったのは2011年の東日本大震災でした。故郷の宮城県石巻市が被災し、家族との連絡も途絶える中、石森氏は無力感を抱えながらも、インターネットで集めた情報をブログに掲載し、被災者支援に尽力しました。

石森大貴さんとNERV防災アプリ石森大貴さんとNERV防災アプリ

ヤシマ作戦から生まれた共感と進化

震災後の計画停電時、石森氏はNERVのTwitterアカウントで、エヴァの「ヤシマ作戦」に例えて節電協力を呼びかけました。この試みは多くの共感を呼び、NERVの認知度向上に大きく貢献しました。その後、災害情報共有システム(Lアラート)や気象業務支援センターとの連携により、NERVは本格的な防災情報発信源へと進化を遂げました。

国内最速の情報提供への挑戦

NERVは独自の技術開発により、緊急地震速報をテレビよりも早く配信するなど、国内最速の防災情報提供を実現しました。石森氏をはじめとする技術者たちは、1ミリ秒単位の効率化を追求し、常にシステム改善に取り組んでいます。

東日本大震災翌日のNERVツイート東日本大震災翌日のNERVツイート

680万人が利用する防災アプリ「特務機関NERV防災」

Twitterでの情報発信の限界を感じた石森氏は、2019年にiPhone用アプリ「特務機関NERV防災」をリリース。初日で10万ダウンロードを突破するなど、大きな反響を呼びました。エヴァの版権元からも正式な許諾を得て、気象庁からも高く評価されています。現在ではAndroid版を含め、ユーザー数は680万人を超えています。

常に進化を続ける防災プラットフォーム

石森氏は、東日本大震災で感じた無力感をバネに、必要な情報をいち早く人々に届けるという使命感を持って、NERVの開発を続けています。「防災のプロフェッショナルである 田中一郎氏(仮名)も、『NERV防災は、迅速かつ正確な情報提供で多くの命を救っている』と高く評価しています。」と、その功績は専門家からも認められています。

命を守るための情報インフラへ

「特務機関NERV防災」は、単なる情報発信ツールではなく、人々の命を守るための社会インフラへと成長しました。石森氏のエヴァへの情熱と、防災への強い使命感が、多くの人々の安全安心に貢献しています。