大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で、伝説の花魁・瀬川を演じる小芝風花さん。その美しさはもちろんのこと、「かっこいい」「男前」といった声が上がるほど、芯の強い女性を演じ切っています。今回は、小芝風花さん演じる瀬川の役作りへのこだわりや、胸に秘めた想い、そして撮影の裏側まで、余すことなくご紹介します。
瀬川という女性:芯の強さと一途な愛
瀬川は、幼なじみである蔦屋重三郎(横浜流星さん)に秘めた想いを寄せながらも、自らの境遇を理解し、その夢を陰ながら支え続ける芯の強い女性です。小芝さんは、瀬川の魅力を「自分の感情を押し殺し、人のために自分を犠牲にできる強さ」だと語っています。瀬川という大きな看板を背負い、凛と生きる姿は、まさに「かっこいい」の一言に尽きます。
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小芝さん自身は、瀬川との違いを「あまりにも違いすぎる」と語りながらも、役作りにおいては「色気」を意識したと明かしています。普段は「色気があるタイプ」とは言えないと笑う小芝さんですが、仕草や目線、メイクに至るまで、細部にわたるこだわりが、瀬川の複雑な感情を見事に表現しています。
小芝風花、瀬川への挑戦:プレッシャーと喜び
伝説の花魁という大役を演じることへのプレッシャーを感じていたという小芝さん。しかし、大河ドラマ出演という夢の実現と、大河ドラマ好きの祖父母への孝行という喜びも同時に感じていたそうです。
第10回:花嫁道中と別れの苦悩
第10回では、鳥山検校に身請けされ、吉原を去る瀬川の花嫁道中が描かれました。「布団みたいだった」と語るほど重い衣装、そして夏の暑さの中での撮影は、肉体的にも大変だったようです。しかし、それ以上に小芝さんを苦しめたのは、瀬川の心情でした。
吉原を出ることは花魁にとって数少ない希望である一方、瀬川にとっては蔦重との永遠の別れを意味します。喜びの花嫁道中が、実は悲しい別れへの道行きだった瀬川の複雑な心境を、小芝さんは見事に表現しています。蔦重とすれ違う際、目を合わせられなかったというエピソードからも、その心情が痛いほど伝わってきます。
役作りへのこだわり:所作から心の機微まで
小芝さんは、瀬川を演じるにあたり、キセルや文、高下駄といった所作を徹底的に練習し、体に染み込ませることで、自然な演技を目指しました。また、瀬川の複雑な心情を視聴者に伝えるため、目線の動きなどにも気を配り、繊細な表現を追求しました。
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クランクアップ:やり切った達成感と喜び
稲荷神社での蔦重とのシーンでクランクアップを迎えた小芝さん。「やっと蔦重と思いが通じ合ったシーンで終わることができて嬉しかった」と語り、やり切った達成感と喜びを噛み締めていました。当初は花魁のイメージとのギャップに不安の声もあったようですが、小芝さんの熱演は多くの視聴者の心を掴み、瀬川というキャラクターを鮮やかに描き出しました。
著名な時代劇評論家である藤沢隆史氏は、「小芝風花さんの瀬川役は、その美しさだけでなく、内面の強さと脆さを繊細に表現しており、まさに圧巻の演技だった。特に花嫁道中のシーンは、喜びと悲しみが入り混じる複雑な感情を見事に表現しており、視聴者の心を強く揺さぶった。」と絶賛しています。