山崎豊子生誕100年記念ドラマ『花のれん』が3月8日に放送され、故・森乃阿久太さんの演技が多くの視聴者の涙を誘いました。昨年11月に交通事故で急逝された森乃さん、この作品が遺作となりました。今回は、ドラマでの活躍やその軌跡を振り返り、故人を偲びます。
芸達者、森乃阿久太さんの魅力
森乃阿久太さんの写真
森乃阿久太さんは、上方落語家として活躍する一方、俳優としても数々の作品に出演。ドラマ『花のれん』では、北川景子さん、月亭方正さん、ミルクボーイのお二人など、錚々たるメンバーの中で堂々たる演技を披露し、存在感を示しました。落語指導としてもクレジットされており、その多才ぶりが伺えます。
『花のれん』での最後の輝き
『花のれん』は、吉本興業の創業者・吉本せいをモデルにした物語。明治から昭和の激動の時代を舞台に、女性プロデューサーの先駆けとして活躍した河島多加(北川景子)の波乱万丈な人生を描いています。森乃さんは、この作品の中で重要な役どころを演じ、物語に深みを与えました。
『花のれん』での森乃阿久太さん
実兄である桂枝三郎さんは、自身のX(旧Twitter)で森乃さんの出演を予告し、放送中は「阿久太発見」と実況。放送後には「ありがとうございました」と感謝の言葉を綴っていました。視聴者からも、「最後のいいシーンに出てはったなぁ」「森乃阿久太さんの遺作、安らかに…」など、追悼の声が寄せられています。
落語家、そして俳優としての軌跡
京都府出身の森乃さんは、2013年に二代目森乃福郎に入門し、42歳で落語家となりました。 遅咲きのデビューながらも、持ち前の明るさと話術で人気を集めていました。
一方で、東映京都の役者としても活動し、『科捜研の女』『水戸黄門』『大岡越前』『大奥』、NHK連続テレビ小説『スカーレット』など、数多くの作品に出演。落語と俳優、二足のわらじで才能を発揮していました。落語界、そして芸能界にとって大きな損失と言えるでしょう。
森乃阿久太さんの功績を偲んで
突然の訃報に驚きと悲しみが広がりましたが、『花のれん』での演技は、森乃阿久太さんの情熱と才能を改めて示すものとなりました。その功績は、多くの人々の心に刻まれることでしょう。森乃さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。