バングラデシュに逃れた100万人以上のロヒンギャ難民にとって、食料支援は生命線です。しかし、その支援が4月から半減される可能性があるというショッキングなニュースが飛び込んできました。国連世界食糧計画(WFP)は資金不足を理由に、支援額を現在の1人当たり月12.5ドルから6ドルに減額せざるを得ない状況にあると発表しました。この減額は、既に困窮している難民の生活をさらに苦しいものにし、健康状態の悪化も懸念されています。
ロヒンギャ難民の窮状:食料支援半減で何が起きるのか?
WFPの発表によれば、今回の支援額減額は寄付金の減少が原因であり、トランプ前米政権による対外援助凍結とは関係がないとのことです。しかし、資金不足は深刻で、WFPバングラデシュ事務所のスカルペリ代表は「人道危機のさらなる悪化を防ぐため、緊急支援が必要だ」と訴えています。
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コックスバザールの難民キャンプで生活するロヒンギャの男性は、この知らせに「悲しい。キャンプ生活がさらに不安定になるかもしれない」と不安を口にしています。支援額が半減すれば、栄養不足による健康悪化、病気の蔓延、そして社会不安の高まりなど、様々な問題が発生する可能性があります。
国際社会の支援が不可欠:ロヒンギャ難民の未来を守るために
ミャンマーでの迫害から逃れ、バングラデシュに避難したロヒンギャの人々は、2017年の弾圧激化以降、厳しい状況下で生活を続けています。イスラム教徒である彼らは、仏教徒が多数を占めるミャンマーでは「不法移民」とみなされ、長年にわたり差別や迫害を受けてきました。
グテレス事務総長のバングラデシュ訪問:希望の光となるか?
国連のグテレス事務総長は、イスラム教のラマダン(断食月)期間中の連帯を示すため、4月13日から16日にかけてコックスバザールを訪問する予定です。この訪問が国際社会の関心を再びロヒンギャ難民問題に向け、さらなる支援につながることを期待したいところです。
ロヒンギャ難民の未来は、国際社会の支援にかかっています。食料支援の半減は、彼らにとって大きな打撃となります。一刻も早く資金不足を解消し、難民たちが人間らしい生活を送れるよう、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があるのではないでしょうか。