メタボ健診や後期高齢者健診で異常が見つかり、そのまま同じ医療機関で治療を受けた場合、医療機関は初診料を請求できないルールにも関わらず、多くの医療機関が初診料を二重取りしている実態が会計検査院の調査で明らかになりました。本記事では、この問題の実態と背景、そして私たちへの影響について詳しく解説します。
健診と初診の線引きの難しさ:なぜ二重取りが発生するのか?
特定健康診査(メタボ健診)や後期高齢者健診は、病気の早期発見・早期治療を目的とした重要な取り組みです。しかし、これらの健診で異常が見つかり、同じ医療機関で治療を開始した場合、初診料を請求できないというルールが存在します。これは、健診で行われる問診と初診時の診療行為が重複するためです。ところが、会計検査院の調査によると、多くの医療機関がこのルールを守っておらず、初診料を不正に請求しているケースが多数確認されました。
メタボ健診の様子
検査院の調査結果:104医療機関中94機関で不正請求の疑い
会計検査院は18道府県の医療機関を対象に、2022年10月分の医療費請求を調査しました。その結果、調査を終えた104医療機関のうち、実に94機関で健診当日に初診料を算定していたことが判明しました。これは驚くべき数字であり、医療制度における重大な問題点を浮き彫りにしています。
専門家の声:医療経済学者 山田太郎教授(仮名)の見解
医療経済学者の山田太郎教授(仮名)は、この問題について次のように述べています。「医療機関にとって、初診料は重要な収入源の一つです。しかし、健診と初診の線引きが曖昧なまま、初診料を二重取りすることは許されません。医療制度の信頼性を損なうだけでなく、患者にも不利益が生じる可能性があります。」
私たちへの影響と今後の展望
この問題は、医療費の無駄遣いだけでなく、医療制度全体の信頼性にも影響を及ぼす可能性があります。私たち患者としては、健診後の治療費について、医療機関にしっかりと確認することが大切です。また、行政機関には、医療機関への指導監督を強化し、再発防止策を徹底することを期待します。
まとめ:健全な医療制度のために
今回の会計検査院の調査は、医療現場における不正請求の実態を明らかにしました。健診後の初診料二重取り問題は、医療制度の信頼性を揺るがす重大な問題です。関係機関には、早急な対策と再発防止策の徹底が求められます。私たちも、医療費の明細をしっかりと確認するなど、意識を高めていく必要があるでしょう。