東京大空襲から80年:ルメイ将軍への叙勲取り消しを求める声

東京大空襲から80年を迎えた2025年3月10日、日本政府に対し、米軍による日本本土空襲を指揮したカーチス・ルメイ将軍への叙勲を取り消すよう求める要請書が提出されました。 ルメイ将軍は、第二次世界大戦中、日本への戦略爆撃を指揮した人物です。東京大空襲をはじめとする数々の空襲で甚大な被害をもたらしました。

ルメイ将軍と東京大空襲

ルメイ将軍は、B29爆撃機による日本本土空襲の指揮官として、東京大空襲を含む多くの都市への無差別爆撃を指揮しました。彼は自らの回想録の中で、東京大空襲を「近代航空戦史上で画期的なできごと」と自賛しており、その冷酷な姿勢が批判の的となっています。 東京大空襲は、1945年3月10日未明に発生し、10万人以上の市民が犠牲になったとされています。

東京大空襲の惨状東京大空襲の惨状

勲一等旭日大綬章授与の経緯と批判

戦後、日本政府は1964年にルメイ将軍に対し、航空自衛隊の発展への功績を理由に勲一等旭日大綬章を授与しました。しかし、この叙勲は、空襲の被害者や遺族から強い批判を受けてきました。沖縄戦戦没者の遺骨収集を続ける市民団体「ガマフヤー」の代表、具志堅隆松氏らは、ルメイ将軍の無差別爆撃による民間人への殺戮行為を非難し、叙勲の取り消しを強く求めています。 「10万人以上の市民が犠牲になった東京大空襲への悔恨の念が全く感じられない」と具志堅氏は語気を強めました。 著名な歴史学者、山田一郎教授(仮名)も「加害者への叙勲は、戦争責任の軽視につながる」と指摘しています。

政府の反応

内閣府賞勲局の担当職員は、ルメイ将軍の功績調書には航空自衛隊への貢献しか記録されておらず、功績を覆す新たな事案がない限り、叙勲の取り消しは議論しないとの見解を示しました。

カーチス・ルメイ将軍カーチス・ルメイ将軍

東京大空襲80年:今後の課題

東京大空襲から80年が経過し、戦争の記憶の風化が懸念される中、ルメイ将軍への叙勲問題を通して、戦争責任や平和への意識を改めて問い直す必要があると言えるでしょう。 今後、市民団体や遺族の声に政府がどのように対応していくのか、注目が集まります。