高市首相の支持率高騰と早期解散の行方:公明党離反が総選挙に与える影響

高市早苗首相(64)が公明党から“離縁”を伝えられた際、その衝撃に言葉を失ったという報道が永田町を駆け巡っています。好調な内閣支持率を背景に「早期解散説」が囁かれる中、公明党との連携解消が次期総選挙にどのような影響を及ぼすのか、政界の関心は高まるばかりです。公明党・創価学会の票が失われれば、自民党は「50議席減」との試算もあり、今後の政治情勢は予断を許しません。

高市内閣の好調な滑り出しと外交成果

10月下旬、高市首相は国際会議で積極的に外交日程をこなし、孤立した石破茂前首相とは対照的な「アグレッシブな外交姿勢」を存分にアピールしました。11月上旬の世論調査では、高市内閣の支持率が発足当初からさらに高まり、歴代でもトップクラスの驚異的な80%超えを記録。政権に追い風が吹くこの状況を受け、永田町では早くも「早期解散説」がまことしやかに囁かれています。

自民党重鎮の一部からは、「この人気が落ちないうちに解散し、単独過半数を取り戻すべきだ」との声も上がっており、2014年11月に解散を断行し、自公で過半数を維持して長期政権に繋げた安倍晋三元首相の例が引き合いに出されています。しかし、高市首相自身は外遊先の記者会見で衆院解散について「考える暇はない」と一蹴し、冷静な姿勢を崩していません。日本維新の会の藤田文武共同代表も同様に否定的見解を示しています。

高市内閣は順調な滑り出しを見せ、支持率が80%を超える驚異的な数字を記録高市内閣は順調な滑り出しを見せ、支持率が80%を超える驚異的な数字を記録

「伝家の宝刀」早期解散の功罪

突如として浮上した「伝家の宝刀」である衆議院解散を巡る風説について、元自民党本部事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏は慎重な分析を展開しています。久米氏は、「今の高市内閣の支持率は、あくまでも『何かやってくれそう』という期待感によるものだ」と指摘。組閣直後に一時的に支持率が上昇すると、早期解散を求める声が上がるのは常であるとしつつも、「選挙に勝つには、実績を作り、それを強く訴える“攻め”の姿勢が必要不可欠だ」と強調します。

久米氏によれば、選挙で勝利を収めるのは、公約した政策を実現できた政権であり、高市政権も何らかの具体的な成果を出さなければ、せっかくの高支持率も「期待外れ」に終わる可能性があると警鐘を鳴らしています。性急な解散説は、自らの政策実現能力の欠如を露呈することにも繋がりかねません。

この言葉は、石破前首相の過去の経験とも重なります。石破氏は10月末の記者会見で、「与党の強い要望に屈し、就任直後に解散したのは痛恨事だった」と振り返りました。これに対し久米氏は、「解散を最終的に決定するのは首相自身であり、周囲のせいにすべきではない」と批判。石破氏が敗因として「政治とカネの問題」を挙げたことに対し、「それならば党改革という実績を出してから解散すべきだった」と述べ、早期解散によって石破氏の「理屈を通す」カラーが損なわれ、大敗を喫したと分析しました。

高市首相は、早期解散のメリットとデメリットを熟知しており、解散のタイミングは誰にも予測できないものの、過去の事例からそのリスクを十分に理解しているはずです。

結論:実績が問われる高市政権の舵取り

高市内閣の高支持率と公明党との関係悪化が交錯する中、永田町では早期解散への期待と懸念が入り混じっています。しかし、政治アドバイザーの久米晃氏が指摘するように、高支持率を真の勝利に繋げるためには、国民の期待に応える具体的な実績が不可欠です。石破前首相の経験が示すように、「伝家の宝刀」である早期解散は、使い方を誤れば政権に大きな打撃を与えかねない諸刃の剣です。高市首相がこの複雑な状況をいかに乗りこなし、次期総選挙への最適な道筋を見出すのか、その手腕が今後さらに問われることとなるでしょう。