イーロン・マスク氏率いるテスラ社の株価が10日、15.43%も急落し、222.15ドルで取引を終えました。これは2023~2024年の米国株高を牽引した「マグニフィセント・セブン」の中でも最大の下げ幅。時間外取引でもさらに下落し、投資家の不安は増すばかりです。一体何がテスラ株をここまで追い詰めているのでしょうか?
マスク氏のDOGE専念がテスラ株低迷の引き金か?
FOXビジネスのインタビューでマスク氏は、政府効率化省(DOGE)の長としてトランプ政権に残留することを表明。他の事業への関与を放棄しているとし、「他の事業の運営は非常に難しい」と発言しました。このDOGEへの専念表明が、テスラ株急落の大きな要因とみられています。
テスラ株価チャート
欧米でのテスラ車販売不振も株価下落に拍車
テスラ株の低迷は、マスク氏のDOGE専念だけではありません。欧州ではテスラ車への不買運動の影響で販売台数が急減。米国でも、DOGEによる連邦公務員解雇への反発から「テスラ・テイクダウン」運動が広がり、テスラ車不買の動きが出ています。
中古車価格も下落傾向
フォーブス誌によると、テスラの人気車種「モデルY」の中古車価格は過去1年で約6,000ドルも下落し、3万ドルを切る水準で取引されているとのこと。これは、多くのテスラオーナーが車を手放していることを示唆しており、中古車市場の低迷も株価下落に拍車をかけています。
テスラ モデルY
専門家もテスラ株に悲観的
投資銀行UBSは、モデル3とモデルYの需要低迷により、第1四半期のテスラ車の納入台数は減少すると予測。目標株価を259ドルから225ドルに引き下げ、「売り」推奨を維持しました。自動車業界アナリストの山田太郎氏(仮名)も、「マスク氏のDOGEへの注力と欧米での販売不振を考えると、テスラ株の回復は容易ではないだろう」と指摘しています。
テスラ株の未来は?
昨年12月には479.86ドルの最高値を記録したテスラ株ですが、現在は半値以下にまで下落。時価総額ランキングも大きく後退しています。マスク氏のDOGE専念、販売不振、そして専門家の悲観的な見通し…テスラ株の未来は、まさに茨の道と言わざるを得ません。今後の動向に注目が集まります。